中国、建築「模型」業界も縮小傾向に

10年続いた不動産ブームが終わった中国。本物の住宅も模型も需要が落ちている。広東省深センにある建築模型製作会社「キャニオン・モデル」の製作室(2015年4月23日撮影、資料写真)。(c)AFP/FRED DUFOUR〔AFPBB News

「中国株は今後14%下落へ、1929年株価大暴落に似た動き」。2015年7月28日付ブルームバーグは、1カ月足らずで時価総額4兆ドルが吹き飛んだ中国株式市場の上海総合指数の動きが「1929年に最大48%下落した米ダウ工業株30種平均と類似の値動きだ」とする市場関係者の分析を紹介した。

 上海総合指数は今年6月以降売られており、中国政府がまなじりを決して株価対策を講じているものの、7月27日に一時2007年以来で最大の下げを記録するなど一進一退の攻防が続いている。

中国各地に出現したゴーストタウン

 7月28日付ブルームバーグは、「オンライン融資業者などからの借り入れによる中国株投資額は7000億元減少、今年のピークから61%落ち込んでいる」ことを報じている。バンク・オブ・アメリカ(BOA)は、中国株投資へのレバレッジ(信用取引などを用いることで手持ちの資金よりも多い金額を動かすこと)が非常に大きいため、「株価下落に伴う信用ポジション(7.5兆元以上とされる)の解消が中国市場の悲劇を助長する」と予測する。

 また、株式急落を受けて中国企業の多くが資金を自社株買いに投じているため、社債の償還原資が減少するとの不安も広がっている(7月29日付ブルームバーグ)。

 このような株式市場をはじめとする金融市場の動揺は、中国経済が1980年代以来の高成長の果てに大きな壁にぶつかっていることを示しているのではないだろうか。製造業の過剰生産能力、中流層にのしかかる不動産や株式投資にかかる損失、家計債務の膨張などの問題があることを知りつつ、当局が資産バブルを傍観してきた代償は大きい。