先端潜水艦技術は国家最高機密の1つである。海上自衛隊のそうりゅう型潜水艦「そうりゅう」SS501(写真:防衛省)

 ゴールデンウィーク明けの5月7日、時を同じくして日本に“関係する”潜水艦の話題が浮上した。

 まず韓国海軍は、214型攻撃潜水艦の6番艦である「柳寛順」を進水させた。韓国で「孫元一」級潜水艦と呼ばれている214型潜水艦は、ドイツのホヴァルツヴェルケ=ドイツ造船が開発した輸出用の潜水艦である。沿海域での運用を想定しているドイツ海軍用の212型潜水艦を遠洋での長期作戦行動にも適応するように大型化したもので、韓国内でライセンス生産されている。

 この潜水艦は、朝鮮の女性独立運動家である柳寛順(1902~1920年)にちなんで命名された(ちなみに、同型潜水艦の3番艦名は伊藤博文を殺害した「安重根」である)。韓国当局によると「日本の植民地支配に抵抗し、自由と独立を叫び祖国の闇を照らした柳寛順の民族愛の精神が、祖国の海を守る最新潜水艦として復活した」との触れ込みである。

 命名はともかく、アメリカ海軍の東アジア戦略家の間では、韓国当局の潜水艦運用構想に関して、以下のような疑義が生じている。