ご飯離れでも、なぜかふりかけ市場は拡大の謎

“ご飯のお供”のたどる道(後篇)

2015.04.17(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要
スチームオーブン製法で作られた永谷園の「超ふりかけ」 (画像提供:永谷園)

 “ご飯のお供”ふりかけの歴史と現状を前後篇で追っている。前篇では、ふりかけのルーツを探った。魚の塩干しを削った楚割(すわやり)や鰹の削り節、また、ごま塩などに源流を見出すことができる。商品としてのふりかけが誕生したのは大正時代だ。

 後篇では、そのふりかけの“いま”を見ていきたい。日本人のコメの消費量が減っていくなかで、実は、ふりかけの市場規模はいまなお拡大中という。“主”のご飯が食べられなくなっているなか、 “従”であるふりかけは、なぜ勢いを保ち続けることができるのか。

 今回、話を聞いたのは、ふりかけメーカーの1つである永谷園だ。同社は2014年には商品名に「超」の付くふりかけを発売している。いったい、なにがどのように「超」なのだろうか。ふりかけ市場活況の理由も探ってみたい。

「大人向け」という新機軸を打ち出す

 日本人1人あたりのコメの消費量がピークだったのは1962(昭和37)年。以降、ほぼ一貫してコメの消費量は減少し、最近ではピークの半分未満にまで落ち込んでいる。2011年には、家庭でのコメ購入額がパンに抜かれてしまった。

 だが、ふりかけ市場は堅調だ。春と秋のスーパーマーケットなどでの棚替時期には、ふりかけメーカーがこぞって新商品を投入する。商品の幅も、子供向けから大人を意識したものまで幅広い。日本人全体のご飯離れが進むなかで、ふりかけ市場は元気なのだ。

日本での1人あたりの年間コメ消費量の推移(赤丸、右目盛)と、ふりかけ市場規模の推移(黄棒、左目盛)
(参考:コメ消費量は農林水産省「食糧需給表」、ふりかけ市場規模は農文協『地域食材大百科第9巻』をもとに筆者作成)
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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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