紅海上のアメリカ駆逐艦からISILに向け発射されたトマホーク巡航ミサイル(写真:米海軍)

 オバマ大統領は、ISIL(いわゆるイスラム国)を壊滅させるための軍事作戦に、限定的ながらもアメリカ地上部隊を投入することを盛り込んだ軍隊使用権限(AUMF)承認申請を連邦議会に提出した。このようなホワイトハウスの動きに対して日本政府は支持する意向を表明した。

 ただし、「日本はアメリカを含む国際社会のISILに対抗する取り組みを一貫して支持してきている・・・今日まで積み重ねてきた人道支援は中東諸国から大きな評価を得ており、しっかり支援していきたい」という声明は、いまだに日本は有志連合国とは一線を画した“戦争とは無縁”の第三者的存在であるといった姿勢を日本国民向けに示している。

 しかしながら、日本は軍事作戦には参加していないものの、すでに昨年夏より有志連合国の一員であることは本コラム(「イスラム国と戦う『有志連合』、まぎれもなく日本は一員である」)で指摘した通りである。したがって、いよいよアメリカ軍地上部隊の投入が秒読みとなった現在、日本政府も国民も対岸の出来事のような程度の関心ではなく、地上部隊投入の意味合いを明確に認識しておかねばならない。

 なんといっても、日本が多額の人道支援資金を提供することで有志連合国は軍事作戦の戦費を捻出することができるのであるから、日本も立派な有志連合国の一員なのである。