ヨルダン、イスラム国拠点56か所を空爆 「戦闘能力2割低下」

ヨルダンの首都アンマンで、イスラム過激派「イスラム国」に殺害されたヨルダン軍パイロットとの連帯を示すデモに参加した人たち(2015年2月6日撮影)〔AFPBB News

 2月1日、いわゆるイスラム国(以下、IS)による日本人人質虐殺を受けて安倍首相は「テロリストたちを決して許さない。その罪を償わせるために国際社会と連携する」との報復声明を発した。一方、2月4日、ヨルダンのアブドラ国王もISによるヨルダン軍パイロット捕虜虐殺を受けてISに対する「徹底的な報復」を宣言した。

消え去った安倍首相の「報復の誓い」

 同じ報復の意思表示でも、安倍首相とアブドラ国王とでは全く違う流れとなった。

 アブドラ国王の報復宣言は、大多数のヨルダン国民がISに対する報復実施を求める声を代表してのものであった。そのため、ヨルダン政府は直ちにIS側が釈放を要求していた死刑囚を処刑するとともに、かねてよりアメリカ主導の有志連合によるISへの空爆に参加していたヨルダン軍による強烈な報復空爆作戦「殉教者モアズ作戦」を開始した。

 一方、安倍首相の報復声明に対しては、「ニューヨーク・タイムズ」などの米国メディアが「日本の首相にしては異例の報復の誓い」と取り上げ、「日本がこれまで維持してきた平和主義からの離脱」との論評を加えまでした(同紙、2月1日)。また、日本の一部メディアや政治家なども、このような海外での論調を取り上げ、安倍首相の報復声明を批判した。