1月7日から民主党の代表選挙が行われている。岡田克也、細野豪志、長妻昭の3氏が立候補しており、18日の臨時党大会で新たな代表が選出されることになっている。
1月8日、日本記者クラブで3人の討論会が行われたが、実に平凡な議論に終始したというのが私の印象だ。3人はそろって「改革」という言葉を多用していた。だが何をどう改革するのかさっぱり見えてこない。
いま日本の政界で、自民党から共産党までどの政党も多用するのが「改革」だ。だが、もはやカビが生えている言葉と言っても過言ではない。それどころか、民主党が「改革政党」などと言えば、「またろくなことをしないのだろう。おとなしくしておいてくれよ」というのが国民の率直な感想ではなかろうか。
抽象的な議論に終始する代表選挙でのやりとり
憲法問題で、3人はそろって「改正論議そのものは否定しない。必要な改正はすべき」という立場を表明した。その一方で、自民党の憲法改正草案には反対を表明し、「安倍内閣のもとでは改正は危険だ」という趣旨の発言をしていた。これは護憲派もいる民主党で、とりあえず「安倍の改憲には反対」ということで無理矢理まとめようとする意図があるからなのだろう。
この議論で民主党が護憲政党でないことは分かるが、では、どんな改正をしようとしているのかは、さっぱり分からない。民主党の綱領には、「『国民主権、基本的人権の尊重、平和主義』の基本精神を具現化する」「未来志向の憲法を構想していく」と述べているだけだ。「具現化」の中身は何なのか。「未来志向の憲法」とはどういうものなのか。これを語らなければ、何も言っていないと一緒だ。