本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―ハンセン指数 企業の冴えない決算を受けて利益確定売りに押され、5日続落―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は下落しました。ハンセン指数は前週比約2%下落し、2万3,550.24ポイントで引けました。また、上海総合指数はほぼ変わらず、週間ベースで2ポイント安の2,418.17ポイントとなっています。

先週のハンセン指数は、好材料に乏しいなか、大手企業の決算冴えなかったことが嫌気され、先々週に大きく上昇したこともあって利益確定売りが優勢となり、5日続落となりました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

香港ハンセン指数構成銘柄のうち7銘柄が上昇しました。1銘柄は変わらずで、42銘柄が下落しました。米原油先物相場の下落で燃料コストの削減期待が高まり、空運のキャセイパシフィック(国泰航空)やコンテナリースの中遠太平洋(COSCOパシフィック)が上昇しました。また、香港交易及決算所も買われました。

<下落>

一方、中国パソコン大手の聯想集団(レノボ・グループ)は決算でモバイル事業の低迷が改めて嫌気され、週間で10%安近く下落しました。また、10月のマカオのカジノ収入が予想以外に減少したことを受けて、金沙中国(サンズ・チャイナ)と銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント)ともに売られました。

先週発表された主な経済指標

11月8日 中国貿易収支 10月 +4541億ドル 市場予想 +4200 億ドル、前回 +3096億ドル
  輸出(前年比) 10月 +11.6% 市場予想 +10.7%、前回 +15.3%
  輸入(前年比) 10月 +4.6% 市場予想 +5%、前回 +7.0%

8日に発表された10月の中国の輸出は前年比11.6%の上昇と、市場予想を上回りました。一方、10月の輸入は5%増の市場予想に届かず、前年比4.6%増と9月の7.0%から低下しました。こうしたなか10月の貿易収支は4541億ドルの黒字となり、市場予想を上回りました。

輸出については、グラフ「中国輸出金額の推移 地域別 (2010年〜)」を見ると、9月の各地域向けの輸出の伸び率はまちまちでした。2010年年初を100とすれば、特にアジア(9月の199.9→10月の218.6)及び米国(9月の155.9→10月の161.8)向けの輸出の伸びが目立ちました。それに対して、欧州また日本向けの輸出金額は伸び悩みました。

輸入については、10月の4.6%の増加率は前月より低下していますが、鉄鉱石や原油などの原材料の価格の下落が主な原因と考えられます。




今後発表される主な経済指標

11月10日 生産者物価(PPI、前年比) 10月 -2.2% 市場予想 -2.0%、前回 -1.8%

10月の中国生産者物価指数(PPI)の前年比は前月の-1.8%から-2.2%に下げ幅が拡大し、市場予想の-2.0%減より悪化しました。また、中国PPIは32か月連続でマイナスとなりました。スチールや原油などの原材料価格が軟調に推移している限り、生産者物価のデフレーションは暫く続きそうです。



11月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 10月 +1.6% 市場予想 +1.6%、前回 +1.6%

10月の消費者物価指数(CPI)の前年比は 1.6%の上昇と、9 月から横ばいとなり、2010年1月以来最低のレベルに留まりました。食料CPIについて、前年比が2.5%の上昇となり、特に果物(15.2%増)と卵(16.4%増)の上昇が目立った一方、野菜(7.2%減)が続落しました。食料除くCPIについては、前年比が1.2%の上昇となり、通信費(3.5%減)や車用燃料(4.9%減)などの値下がりが物価の上昇を抑えていることがわかりました。


11月10日〜15日 マネーサプライM2(前年比) 10月 市場予想 +12.9%、前回 +12.9%

10月の貿易収支は4541億ドル超の黒字となったほか、中国人民銀行(PBOC)の政策スタンスが変わらなかったことから、10月のマネーサプライM2(前年比)は前年比+12.9%と、前月から横ばいと予想されています。



11月13日 固定資産投資(前年比) 10月 市場予想 +16.0%、前回 +16.1%

固定資産投資額は、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものです。特に不動産関連の固定資産投資額の減少傾向が継続する限り、製造業、建設業などの固定資産投資が堅調に推移しても全体の固定資産投資額は伸び悩む可能性が高いと思われます。10月の固定資産投資額は前年比16.0%増と見込まれています。


11月13日 鉱工業生産(前年比) 10月 市場予想 +8.0%、前回 +8.0%

10月中国製造業PMIは前月の51.1から50.8に低下したなか、内訳の生産指数は前月の53.6から53.1に下落しました。これらの先行指標を参照すると、10月の鉱工業生産は7.9%を見込んでいます。


マーケットビュー

―香港株、17日の相互取引を迎えて反発か、経済指標及び騰訊の決算に注目―

先週のハンセン指数は上昇が一服し、週間で約2%下落しました。企業決算が冴えなかったことが主な原因と考えられます。特に英金融大手HSBCの四半期決算が市場予想に届かなかったことや、金沙中国(サンズ・チャイナ)と銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント)マカオで10月のカジノ収入が予想以外に減少したことに加え、パソコン大手の聯想集団(レノボ・グループ)の決算でモバイル事業が低迷していることも嫌気され、相場を押し下げました。また、HSBC中国サービス業PMIが前月より低下したことも売り材料になりました。

しかし、今週のハンセン指数は買い優勢となりそうです。先週発表された中国10月の輸出が市場予想を超えて増加しことや、香港と上海の相互取引が11月17日開始されることになったことが支援材料になるとみられます。重要な経済指標の発表を控えるなか、3日に上値を押さえられた75日移動平均を抜けてくるようなら一段高の展開もありそうです。企業決算については、騰訊(テンセン・ホールディングス)の第3四半期の決算が12日に行われ注目を集めそうです。

香港と上海の相互取引では、「AH価格差」銘柄で株価の修正が進むことになりそうです。AH価格差銘柄とは香港と上海の取引所で同時に上場している企業で、A株・H株間に価格差がある銘柄のことです。相互取引によりその価格差が徐々に縮小する可能性があります。また、金融機関は相互投資開始による取引量拡大の恩恵を受けることになりそうです。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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