先日、東京コミュニティスクール(以下、TCS)新校舎のお披露目会に招かれ出席してきました。10年の節目を迎え杉並から中野へ校舎を移転したTCSは、小学生を対象とした全日制のオルタナティブスクールです。

 国語・算数などの「基礎学習」に加え重要な概念やスキルを獲得し、不透明な状況で正解のない課題に対し自分なりに判断し責任をもって実行する姿勢を育む「テーマ学習」を柱とした探求型教育(TQ)を実施しています(同校の具体的な学びについては、この連載の20回21回でもご紹介しています)。

「IT」のためのITに取り組む東京コミュニティスクール

 探究型学習は、認知科学をはじめ各分野の学びの専門家などから支持を集めています。文部科学省も国際バカロレア(IB)の認定校を5年間で全国に200校まで増加させるという方針を掲げていますが、TCSではすでに10年前から、IBを意識して以下の目指すべき10の学習者像を挙げています。

(1)Inquirers(探究する人)
(2)Knowledgeable(知識のある人)
(3)Thinkers(考える人)
(4)Communicators(コミュニケーションができる人)
(5)Principled(信念のある人)
(6)Open-minded(心を開く人)
(7)Caring(思いやりのある人)
(8)Risk-takers(挑戦する人)
(9)Balanced(バランスのとれた人)
(10)Reflective(振り返りができる人)

 さて、新校舎ですが、1階の「アートゾーン」は、アートのほか理科の実験など多目的に使える木造空間で、安心感とぬくもりを感じさせる場となっています。

 学びのメインスペースである2階は、柱や壁のない開放感あふれた草原のようなフロアです。とある著名な空間デザイナーに設計してもらったという色分けされた各ゾーンには、プロジェクターやスクリーン(兼ホワイトボード)が設置されています。