世界の古くて新しい資源、森林の利用に異変

中国で紙の使用が急伸、その他の国で横ばいが続く理由

2014.04.21(月) 藤原 秀樹
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 2012年と2000年の生産量の差を国別に表すと、図4のようになる。すなわち、中国の伸びが極めて大きく、それ以外の国の伸びは、生産量が減少した米国、カナダ、日本、フィンランドにより相殺されたのだ。

 インドからポルトガルまでの増加分の総量が約2700万トン、一方、米国からフィンランドまでの減少分の総量が約2900万トンである。いずれにせよ、中国以外では、この10年余りで日本1国分の生産量が増えたり、減ったりしたわけである。

増える板紙の生産量

 それでは、いったい何が増えたのであろうか。それは図5のように一目瞭然、「板紙他(以後、板紙とする)」である。

 2000年には印刷・筆記用紙と新聞用紙の合計と板紙の比率が、1:1.35であった。それが2012には、1:1.91になった。すなわち、世界全体を見れば、あたかも板紙だけが増加し、印刷・筆記用紙はほぼ一定、新聞用紙は漸減しているように見える。

 もちろん、印刷・筆記用紙、新聞用紙ともに増加している国はある。減少量と増加量の合計がほぼ同じだったに過ぎないことは前に述べたとおりである。

 世界経済が発展していけば、紙・板紙の使用量は増える。以前(20年前)までの、ITが今ほど発達せず、また、先進国だけの経済を論じていればよかった時代には、紙と板紙の生産比率はほぼ1:1だったのだ。

 それが経済の発展とともに板紙は伸びていくが、紙の使用量は一定のように見える。しかし、既にお分かりだと思うが、先進諸国、発展途上国、そして中国と分けて論じる必要がある。

 先進諸国で紙・板紙の生産はどうなっているのか。発展途上国ではどうか。そして、中国でなぜ急激に伸びたのか、そしてその中身は・・・。

 それを、これから解きほぐしていきたい。

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藤原 秀樹 Hideki Fujiwara

 

カーボンニュートラル資源研究所 代表

慶応義塾大学工学部卒・同大学院修了後、十條製紙(現・日本製紙)入社。

米国・ウェスタンミシガン大学留学。工学博士。

日本製紙・取締役・研究開発本部長、関係会社役員を歴任。

TAPPIフェロー(米国紙パルプ技術協会名誉会員)、TAPPI 塗工部門技術賞 (アジア初)

東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部・非常勤講師、タイ国アジア工科大学院・客員教授

米国紙パルプ技術協会・国際研究管理委員会 委員(副委員長)
マルクス・ヴァレンベリ賞(スウェーデン)選考委員会・アジア地区大使を経て、現在は選考委員会のシニアアドバイザー

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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