「週刊新潮」(4月3日号)に2人の政治家のスキャンダルが掲載された。

 1人目が共産党の吉良佳子参議院議員である。この見出しがすごい。「所構わず 公園で 駅で 公道で男とキスする女性マルキスト 共産党アイドル『吉良佳子』議員の革命的接吻 証拠写真付き」。実は、この記事に関連して「週刊新潮」から私に取材があった。「共産党議員にあるまじき行為」として吉良議員のことを批判してほしかったようである。

 だが私は、「若い男女が互いに好きになればキスもするだろうし、お泊まりもするだろう。国会議員と言っても同じだ。共産党に人前でキスをしたら罰しますなどという規約はないからね。性欲と食欲は人類生存に不可欠だから(笑)」と言うしかなかった。だから私のコメントは使われなかった。

吉良さん、世間を甘くみないように

 ただ共産党広報部が「常軌を逸した取材だ。国会議員といってもプライバシーがある」と「週刊新潮」に激怒しているという報道には呆れた。駅中や公道でキスをしたり、じゃれ合ってプライバシーもないだろう。

 むしろ共産党は「週刊新潮」に感謝すべきだ。もしこれが公安関係者によって、写真でも撮られていたら、弱味を握られるということにもなりかねなかった。

 マスコミが共産党を相手にしないと、「今、マスコミは共産党を無視する作戦をとっている」などと批判してきたのが共産党だ。これまでの共産党議員で吉良議員のように、マスコミからつけ回される議員がいたか。そんな議員は1人もいなかった。政党や国会議員は、マスコミから相手にされるうちが花だ。“悪名は無名に勝る”。これが政治家の鉄則なんだから。

 ただ吉良議員が、「ところで春ですね。そんな春にちょっとご報告。実はいま、真剣につきあっている人がいます。幸せです。みなさんにも応援してもらえたら光栄です」とブログで述べたのは小賢しすぎる。しっかり週刊誌に醜態写真を撮られてしまったので交際宣言でごまかそうという意図がありありだ。しかも選挙じゃあるまいし、他人の恋路を応援しろとでも言うのか。こういうのを“上手の手から水が漏れる”と言う。まあ好きにすればいいのだが、世間をなめているという印象だけが残ってしまう。

 ただあらゆる面で己の未熟さだけは忘れぬように。1度目はご愛嬌でも、2度目はまったく違う結果を招くであろうことを。世間は甘くはないということを。

渡辺喜美氏の不可解な説明

 それに引き換え深刻なのが、みんなの党の渡辺喜美代表だ。