和食の世界遺産登録、技術革新・・・、
それでも豆腐に危機が迫る

進化し続ける「豆腐」(後篇)

2014.03.28(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

 日本人の栄養源でありつづけてきた大豆。今回は、万能性のある食品「豆腐」の歴史と現状を見ている。

 前篇では、豆腐の歴史を追ってきた。遣唐使により日本に製法が持ち込まれたとされる豆腐は、日本国内で高野豆腐や絹ごし豆腐なども生まれた。さまざまな食べ方が日本で発展した。

 後篇では、戦後から現在にかけての豆腐の進化のしかたを見ていきたい。食品の流通形態が変わる中、新タイプの豆腐も誕生し発展した。日本豆腐協会専務理事の町田秀信氏に、“現代の豆腐”について聞いてみた。

戦後、豆腐にも現代化の波が

 豆腐の基本的製法をおさらいしてみる。

 水に浸しておいた大豆を引き潰す。これを「呉」という。呉を煮て漉すと豆乳になる。この豆乳を凝固剤で固めれば豆腐になる。かつて凝固剤には、海水から食塩を晶出させたあとの溶液「にがり」を使っていた。

 長らく食されてきた木綿豆腐の製法では、呉を濾した豆乳を凝固剤である程度固め、それを木綿を敷いた穴開きの木型に流し込み、重しで水を切りながら固めていく。水分は少なく、しっかりした食感の豆腐ができる。

 一方、日本で江戸時代に開発された絹ごし豆腐は、木型に穴を開けず、そっと固める。水分の多い、滑らかで柔らかな食感の豆腐となる。「絹ごし」とつくのは、絹のようなキメの細かい表面になるからだ。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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