豆腐の格付け本が江戸時代のベストセラーに

進化し続ける「豆腐」(前篇)

2014.03.20(Thu) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

 大豆は長い間、日本人に栄養をもたらす作物であり続けた。いまも、大豆を使った食材は、納豆、醤油、味噌、もやし、枝豆と、おなじ作物から作られたと思えないくらい色とりどり、食卓に並んでいる。

 大豆由来の食べ物のなかでも、とりわけ万能的と言えるのが「豆腐」だろう。栄養価が高いのはもちろん、醤油、味噌汁、鍋、中華料理と、なににでも合う。色は白くて、食感は柔らか、そして風味はたんぱく。自己主張しすぎないこれらの要素が逆に豆腐の特徴にもなり、様々な食材との相性の良さを生み出している。

 今回は、「豆腐」をテーマに、その歴史と現状を見ていきたい。前篇では、大陸から伝わった豆腐がどのように日本で発展してきたかを追っていく。後篇では、豆腐をめぐる製法技術の進化などを、日本豆腐協会専務理事を務める町田秀信氏に聞くことにする。

諸説ある大陸での誕生経緯

日本の食卓になくてはならない食べ物「豆腐」

 豆腐の原料である大豆は、2000年前の紀元前後には日本に伝えられていたとされる。日本で豆腐が作られる下地はあったわけだ。

 そこに、豆腐の作り方が伝来したのは奈良時代から平安時代ごろ。遣唐使として唐に渡った僧や学者が日本に製法を持ち帰ったという説が有力だ。

 では、大もとの中国ではどのように豆腐が誕生したのか。これには、大きく2つの説がある。紀元前の前漢時代に生まれたという説と、数百年後の唐の時代以降に生まれたという説だ。

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る

1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


食の万華鏡

食の安全に対して国民の関心が高まっている。今後、安全で美味しい食の供給国としての日本を考えた時にもこの問題は重要になる。食の安全の話題を中心に、食トレンド、食品マーケットなど、食にまつわる様々なテーマを取り上げる。