パレスチナとイスラエルに油田巡る新たな火種

巨大な埋蔵量が確認され、パレスチナ自治政府の経済自立も可能だが・・・

2013.12.30(月) 堀田 佳男
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中東イスラエルとパレスチナ自治政府に新たな火種が生まれている。

 2010年秋から中断していた中東和平交渉が今年7月末に再開され、過去3年交渉すら応じてこなかった両者は同じテーブルについた。ジョン・ケリー米国務長官の仲裁により、あらゆる議題をテーブルの上に乗せ、交渉期限である来年4月末までに合意に達するとの見方もある。

イスラエル・パレスチナ国境地下に巨大油田

パレスチナ自治政府、イスラエルの入植地建設を批判

パレスチナ人の居住区である東エルサレムのユダヤ人入植地ラマトシュロモ〔AFPBB News

 だが先月、イスラエルとパレスチナの国境地下に眠る原油の埋蔵量が、これまでの推定をはるかに超える総量であるとの報告があり、原油の利権争いという新たな火種が降りかかってきた。

 双方は過去何度となく約束を反故にしているだけに、原油利権問題が浮上した今、すんなり解決に向かうかは大きな疑問だ。

 イスラエル中部ロシュ・ハアイン町で油田が発見されたのは1990年代のことである。以来、ドリル抗をあける度に番号が割り当てられてきた。

 ドバイの衛星TV局アル・ジャジーラによると、昨年まで「メゲブ5」と呼ばれる油田の原油埋蔵量は15億バレルとされてきたが、今回報告されたのはその2倍以上もあるというのだ。

 この推定量が本当であるならば、世界でも屈指の埋蔵量ということになる。原油ビジネスの世界では、埋蔵量が5000万バレル規模であっても大油田と呼ばれる。

 5億バレルであれば巨大油田というカテゴリーに入る。仮に30億バレルだとすると、日本ではすぐに全国の原子力発電所を廃炉決定してもいいほどの埋蔵量だ。

 現在、掘削をしているのはイスラエルのギボット・オラン社で、1992年以来、原油・天然ガスを採掘している。ただ「メゲブ5」が和平交渉の火種と言われるのは、その場所がイスラエルとパレスチナとの国境沿いにあるためだ。

 ロシュ・ハアイン町は本来、パレスチナ自治政府の居住区とされ、今は隔離壁で完全に封鎖されている。そこにイスラエル人が食い込むように入植してきた歴史がある。

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Yoshio Hotta ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、ワシントンDCにあるアメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社などを経て1990年に独立。以来、ワシントンDCを拠点に政治、経済、社会問題など幅広い分野で取材・執筆。25年間の滞米生活後、2007年に帰国。現在は国内外で精力的にジャーナリスト活動を続けている。著書に『なぜアメリカ金融エリートの報酬は下がらないのか』、『大統領はカネで買えるか』、『大統領のつくりかた』、『日本人医師―満屋裕明』ほかがある。

中東・アフリカ

チュニジアの「ジャスミン革命」に端を発した中東・アフリカの民主化運動。エジプトでは約30年続いたムバラク政権が終焉し、リビアでもカダフィ政権が崩壊に追い込まれた。各国の民主化運動はますます激しさを増し、緊迫した状況が続く。世界が注目する中東・アフリカ情勢をJBpress独自の情報網で伝える。

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