経営力がまぶしい日本の市町村50選(18)

 北海道東北部のオホーツク斜面の内陸寄りに位置する訓子府町(くんねっぷちょう)は人口約5515人(平成23年度末)の小さな町である。

100人以上のエコファーマーがいる「エコアグリタウン」

訓子府町

 高原盆地であるため、北海道の他の地域に比べて寒暖の差が非常に激しく、最高気温が30度、最低気温がマイナス20度と50度の差がある。

 かつ日照率(日照時間と可照時間の比率)が高いため農業に適しており、玉葱やメロンをはじめ耕種農業と畜産がバランスよく展開された多品目少量生産を効率的に行っている。

 また、化学肥料を一切使用せず、熟成させた堆肥・発酵鶏糞・米ぬかなどをバランスよく使用するなどの土づくりの推進により、100人以上の農業者がエコファーマー*の認定を受けるなど、環境保全に対する意識の高さは道内でもトップクラスである。

* エコファーマーとは、平成11(1999)年7月に制定された「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(持続農業法)」第4条に基づき、「持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画」を都道府県知事に提出して、当該導入計画が適当である旨の認定を受けた農業者のこと

 酪農や畑作などさまざまな形態の農家が多い訓子府町では、農家同士で堆肥と麦カラを交換するなど、互いに支え合って地力維持に努めているのも特徴である。

 さらには、農業試験場や畜産技術研究所など研究機関に加え、飼料工場や農業資材生産工場、農産物加工施設など多くの農業関連企業が存在しており、エコアグリタウンとして環境にやさしい農業の推進を産業政策の1つの柱と掲げている。

 試験場などは一般公開もしており、品種開発した春まき小麦「はるきらり」のパンや、ジャガイモ「ゆきつぶら」のふかしいもの試食ができるなど、町民に農業や食への関心を深めてもらう取組みも活発である。

 太陽光・太陽熱エネルギー、風力エネルギー、バイオマスエネルギー、温度差エネルギー、雪氷熱エネルギーなど自然エネルギーのポテンシャルも高く、実証実験が待たれるところである(かつて2年間ほど、NEDO[新エネルギー・産業技術総合開発機構]の補助金で調査を行ったが事業仕分けで現在中断)。