8月15日の終戦記念日を目前に控え、中国海警局所属の船「海警」が8月7日から約28時間15分もの間、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に侵入した。これは、日本政府が昨年9月に尖閣諸島を国有化して以降、最長となる異常事態だった。

 領海侵入したのは海警4隻。昨年9月以降で最長の領海侵入だった14時間16分を大幅に上回った。中国の横暴はとどまるところを知らないようだ。

政府の尖閣諸島防衛への取り組み

 7月9日、2013年度の防衛白書が公表された。中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺などで挑発行為を繰り返していることについて「領海侵入や領空侵犯、さらには不測の事態を招きかねない危険な行動を伴うものがある」と指摘し、強い言葉で中国を批判した。

 政府は、このような中国の脅威に対処するために、日米同盟の強化を推進するとともに、独自の防衛力の強化を図っている。7月27日には、年末に策定する新しい「防衛計画の大綱」に向けた防衛省の中間報告が公表された。

 敵基地攻撃能力の保持を念頭に北朝鮮の弾道ミサイル抑止の対応能力を充実させると明記したほか、沖縄県・尖閣諸島周辺での中国の活動活発化を踏まえて、「機動展開能力や水陸両用機能(海兵隊的機能)」を確保することなどが盛り込まれた。

リデル・ハートの間接アプローチ戦略

 リデル・ハートは、戦場で敵戦力を破砕する直接的アプローチに対して、敵に心理的ダメージを与えることで勝利を得るという間接アプローチを提示した。間接アプローチ戦略(Indirect approach strategy)とは正面衝突を避け、間接的に相手を無力化・減衰させる戦略である。

 間接アプローチという観点から、以下説明するような、米軍基地跡地にモスクとイスラム文化研究所を設立することを提案したい。

米軍基地跡地にモスクとイスラム研究所を

 昨年、日本復帰40周年を迎えた沖縄県が、記念事業の一環として、返還が合意されている沖縄本島中南部地域にある米軍6基地の跡地利用計画を広く公募する「沖縄の新たな発展につなげる大規模基地返還跡地利用計画提案コンペ」が開催された。

 結果は、今年3月に発表され、「万国津梁の島(くに)-新しい沖縄の実現(トラム&グリーン・リンケージ沖縄21)が最優秀賞に、「“麗の海の邦”と“まちづくりマネジメント”(日本設計+泉設計)」および「アジアの成長を呼び込み、域内産業を形成する沖縄新社会資本戦略的整備(琉球大学都市計画研究室有志)」の2件が優秀賞に決まった。

 そもそも、私の、米軍基地跡地にモスクとイスラム文化研究所を設立する提案(構想)は、上記コンペに向けてあるスーパーゼネコンから米軍基地跡地利用構想について相談を受けたことに始まる。