いよいよ、日本でも「太陽経済」が始まった

FITがもたらす多次元ネットワーク社会の可能性

2013.07.31(水) 山崎 養世
    http://goo.gl/kN0ZEJ
  • 著者プロフィール&コラム概要

以前、2011年まで連載をしていた本コラム「東奔西走」に、2年ぶりに書かせていただくことになった。私のコラムを初めてお読みいただく方もいることと思う。

 連載休止前の1つ前の、2011年1月11日の記事(「2011年、戦後最大の経済危機が訪れる 3月危機を乗り切れるかが第1関門、次は6月・・・」)は私にとって忘れられない記事になった。当時、年間100万ページビューがあったと聞いており、私自身その反響の大きさに驚いている。

 その記事を再び読んでみて、私は言い知れない複雑な思いを抱いた。なぜなら、その記事で語った経済危機に関する警告は、読み返せばまさに、2カ月後の東日本大震災に対する警告書にもなっていたからだ。

 その前年に出した著書『ジャパン・ショック』では、私は大津波と大洪水が来る場面をリアルに記していた。さらに、その頃に大津波の夢を見たことが思い出され、やはりそのときに私は「大きな危機が今年、3月くらいに来る」ということを感じ取っていた。

 書いた当時、その「危機」とは、国債の暴落からの経済危機を意味していたのだが、私の中では、自問が始まっていた。

 「もし国債暴落が起きても、日銀がベン・バーナンキ議長のFRB(米連邦準備制度理事会)のように、金融機関から国債を買い上げてしまえば、危機は終わる。でも、白川方明総裁は決断できないだろう」

 「そう考えると、国債暴落に最も弱いポイントは郵貯だ。その時は、政府が『国債買い上げ機構』を作って、郵貯などの金融機関から簿価で国債を買えば危機は終わる。第2次大戦直後にFRBが実行した手段だ。日本は債権大国だから実行可能だ。しかし、国債暴落危機は人間の力で解決可能だ。人間の力では防げない大津波や大洪水とは違う。では大津波の夢の示す危機とは何だろう」

 答えは出なかった。

 そして、2カ月後の3月11日が来た。その日の朝、シャワーを浴びているときに、「今晩はこのシャワーは出ない」。とふと思ったことを今も鮮明に覚えている。

 午後2時46分から始まって長時間続く揺れに、初対面の客人と事務所の机の下に一緒に隠れた。映像がネットに流れ出した。何度も夢に見た大津波が、現実に巨大な壁のように船も家も町のすべてを押し流している。夜になって、オフィスから歩いて帰宅したが、シャワーは出なかった。

 さらに、原発のメルトダウンから生まれた放射能は、広大な大地を覆い尽くし、福島の方々は戻ることもできなくなった。これが現代の大洪水なのだろうか。今も私の中に残っている大きな謎だ。

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1958年生まれ、東京大学経済学部卒。カリフォルニア大学ロサンゼルス校でMBA(経営学修士)取得。大和証券勤務を経て米ゴールドマン・サックス本社パートナー、ゴールドマン・サックス投信社長などを歴任。現在、一般社団法人「太陽経済の会」代表理事、くにうみアセットマネジメント(株)代表取締役、日本コアパートナー(株)代表取締役社長、(株)成長戦略総合研究所 代表取締役社長。

 

東奔西走

新興国が急速に力をつけている現在、政治にせよ企業経営にせよ、かつてのように米国や欧州を向いていればよい時代は終わった。アジアや中国、そして中南米、アフリカ諸国、中東など様々な地域に目を向けて国の経営も企業の経営もしなければならない。このコラムは、そうした世界多極化時代にどのように我々は対処しなければならないのかを追究する。

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