いよいよ、日本でも「太陽経済」が始まった

FITがもたらす多次元ネットワーク社会の可能性

2013.07.31(水) 山崎 養世
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 その後、東日本大震災が起きた後の最後の記事を書き、私は筆を措いてしまった。なぜならば、日本でもいよいよ「太陽経済」の時代が始まったからだ。2011年3月11日の午前中に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」法案が閣議決定した。電力の固定価格買取制度(FIT)の導入である。

「太陽経済」とこれから来る危機

 ここで言う「太陽経済」とは、単にソーラー経済という意味ではない。その始まりは、大震災以前にさかのぼる。

 太陽経済というのは、2008年のリーマン・ショック直後から考えている概念である。太陽の光や熱、空の風、川の流れ、海の潮流といった太陽の恵みをエネルギーに変えることができるこの時代だ。資源・エネルギー浪費型の石油経済から、資源再利用・自然エネルギー中心の経済へ移行し、持続可能な共存共栄モデルを築く経済の提唱を始めた。

 最初に太陽経済の理念について話し、共鳴いただいたのは、千葉商科大学学長の島田晴雄先生だった。多くの方のご支持を得て、2008年に一般社団法人 太陽経済の会を作り今に至るまで普及活動を行ってきた。

 リーマン・ショックの後に来るものは、けして金融大恐慌ではない。現代の世界はそれに対する防火壁を持っている。金融機関の倒産・破産は国家が損失を引き受けるし、弱い国の財政や経済の破綻は国際的に救済するというメカニズムができている。

 そのため、戦前のように連鎖倒産が世界大恐慌に結びついて、世界大戦への道を辿るということはない。また戦後の世界には、国連安全保障理事会によって大国間の戦争を起こさないという軍事の安全保障もある。

 リーマン・ショックを経て、これから本当に来るのは人間の生存危機だ。その危機は、人間の繁栄によって引き起こされる。

 20世紀初頭は16億人だった世界人口は今や70億人になり、やがて100億人に達しようとしている。寿命は昔の2倍になった。これはある意味では、人間の歴史上にかつてない大きな「繁栄」という形の大変化だろう。

 長寿になり人口が増えたこと自体は喜ばしいが、今度は逆に、それが人間と地球の生存を脅かしている。ここで注意すべきは、「人間と生物」だけではなく、「人間と地球」の生存を脅かすであろうということだ。

 この危機は具体的には、人間以外の種の絶滅が進み、気候変動と環境悪化が進むという形で現れる。人間の個体数が、圧倒的に増えている今、結局人間が自分を統御できるのか、そしてこの地球と共存できるのかという問題が出てきている。

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1958年生まれ、東京大学経済学部卒。カリフォルニア大学ロサンゼルス校でMBA(経営学修士)取得。大和証券勤務を経て米ゴールドマン・サックス本社パートナー、ゴールドマン・サックス投信社長などを歴任。現在、一般社団法人「太陽経済の会」代表理事、くにうみアセットマネジメント(株)代表取締役、日本コアパートナー(株)代表取締役社長、(株)成長戦略総合研究所 代表取締役社長。

 

東奔西走

新興国が急速に力をつけている現在、政治にせよ企業経営にせよ、かつてのように米国や欧州を向いていればよい時代は終わった。アジアや中国、そして中南米、アフリカ諸国、中東など様々な地域に目を向けて国の経営も企業の経営もしなければならない。このコラムは、そうした世界多極化時代にどのように我々は対処しなければならないのかを追究する。

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