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マーケティングの課題解決にも産学共同研究を

「MFI(Math-for-Industry)」にみる産学連携の効用

2013.01.23(水) 本間 充
    http://goo.gl/Bv1SR
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 また、日本は公的機関の研究開発費が、民間企業の研究開発費に比べると非常に少ない点も問題である。しかし、公的機関・教育機関と民間企業が共同で研究を行うことは、それなりに意味のあることだろう。

 まずは、日本の中で同じような研究を行う人たちが協力することによる効率性。また、異なる専門分野の人がひとつのテーマに関わることで、取り組み方に拡がりが生まれることもあるだろう。

 何より、米・中・インドなどの超大国より少ない人口で戦わないといけないという日本の特徴ゆえ、むしろ共同研究を拒否する理由もあまりないのではないだろうか。

 このように民間企業と大学などが共同で研究に取り組むことの一つに「産学共同研究」というものがある。

 実は私はデジタルマーケティングの仕事を企業で行いながら、データ分析とそのモデル化のためには数学的なアプローチが必須と考え、2010年12月の「Forum "Math-for-Industry" 2010 and Study Group Workshop」に参加して産学協同研究を体験した。そのアプローチは今でも続いている。

 この“Math-for-Industry”の取り組みは継続的に行われており、2013年も1月17日から「産業界からの課題解決のためのスタディ・グループ研究集会」として開催される。

「産業界からの課題解決のためのスタディ・グループ」のアプローチ

 このスタディ・グループの取り組みをかいつまんで説明しよう。

 初日に、数社の企業から数学的に解いてほしい問題の説明を行う。この問題は、企業側の言葉で、企業の秘密を侵さない範囲で説明される。

 私の場合は、ツイッターで一定の時間ごとに任意の単語が含まれている記事数のデータを示し、この記事数が爆発することがあるか考えてもらったり、掲示板に記事が溢れる状況などを考えてもらいたいと説明した。

 その後、大学院生や教官が説明された企業の問題から選択して、残り4日間ほどを議論と問題解決に費やす。もちろん、この期間で解決できる問題もあれば、解き方が分かったうえで継続のテーマとなるものもある。

 実はこのスタディ・グループ、この残りの約4日間ほどの研究時間が、双方にとって非常に重要である。企業は数理的な物事の考え方を理解し、大学側は現実に起きている問題を理解しようとする。

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本間 充 Mitsuru Honma

 

1992年、花王に入社。1996年まで、研究所に勤務。研究所では、UNIXマシーンや、スーパー・コンピューターを使って、数値シミュレーションなどを行う。研究の傍ら、Webサーバーに遭遇し、花王社内での最初のWebサーバーを立ち上げる。1997年から研究所を離れ、本格的にWebを業務として取り組み、1999年にWeb専業の部署を設立した。花王のWebを活用したマーケティングに取り組み続け、現在は、デジタルコミュニケーションセンター 企画室長を務めている。新しいWebのコミュニケーションの検討・提案や、海外花王グループ会社のWeb活用の支援、またB2B領域のサイトの企画まで、広く花王グループのWebのコミュニケーションに関わっている。Ad Tech Tokyo 2009, Ad Tech Singapore 2010等でも講演。

社外においては、公益社団法人・日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会の代表幹事を、2011年から務めている。
北海道大学卒業、数学修士。日本数学会員オープン・モバイル・コンソーシアム メンバー

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