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マーケティングの課題解決にも産学共同研究を

「MFI(Math-for-Industry)」にみる産学連携の効用

2013.01.23(水) 本間 充
    http://goo.gl/Bv1SR
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 この期間の質問は本当に多様である。なぜ、そのようなことが起こるのかといった現象理解の質問。なぜ、そのような式でこの現象が説明できるのかといった、数理モデルに対する質問。

 過去の経験から言えば、この質疑応答が白熱した回のスタディ・グループの成果は、その後の企業活動にも生かしやすい。

 初日には共通言語が少なかったチームも、1週間のスタディ・グループが終了するころには共通言語も増え、同じ目標に向かって研究するようになっている。

 そして最終日に再び全員が集まり、研究成果を発表する。この発表は大学院生が行う。そのまま研究が終了するチームもあれば、共同研究契約を行い、研究を継続するチームもある。

マーケティングにも「研究」が必要か

 ここまで読まれた方の中には、「研究=モノづくり」で、マーケティングには関係ないのではと思っている人もいるかもしれない。確かに、日本のモノづくりには莫大な研究費が投資されたことは事実で、そこから技術革新が生まれ、経済成長を牽引してきた。

 しかし、このことはマーケティングには研究が不要だと説明するものではない。今まではマーケティング領域での研究費用が少なかったということなのである。

 ビッグデータ時代になり、データ分析が容易になり、さまざまなマーケティングの仮説を作り、マーケティングに関する投資費用のシミュレーションも行えるようになってきた。

 実際、グーグルなどで「マーケティング投資最適化」と検索を行うと、100万を超えるページが発見されるだろう。それほどマーケティングとデータ分析に基づく投資の最適化は話題になっているテーマでもあり、誰もが解きたいテーマに違いない。

 では、最初の質問に戻ろう。このテーマはあなたがビジネスで解かないといけないものであるが、あなたにその能力があるだろうか? そして、この問題に決まった解き方が存在しているだろうか?

 そう考えると、マーケティングの領域にも研究は必要だ。数学的なアプローチができる人、モデルを視覚化できる人、モデルをシミュレーションできる人。そのような人たちがマーケティング領域には必要だ。

 最初から自前で集めるのではなく、自分でそのような人たちの中に飛び込んで助けを求める。そういう意味で「産学協同研究」は、ひとつの方法ではないだろうか?

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本間 充 Mitsuru Honma

 

1992年、花王に入社。1996年まで、研究所に勤務。研究所では、UNIXマシーンや、スーパー・コンピューターを使って、数値シミュレーションなどを行う。研究の傍ら、Webサーバーに遭遇し、花王社内での最初のWebサーバーを立ち上げる。1997年から研究所を離れ、本格的にWebを業務として取り組み、1999年にWeb専業の部署を設立した。花王のWebを活用したマーケティングに取り組み続け、現在は、デジタルコミュニケーションセンター 企画室長を務めている。新しいWebのコミュニケーションの検討・提案や、海外花王グループ会社のWeb活用の支援、またB2B領域のサイトの企画まで、広く花王グループのWebのコミュニケーションに関わっている。Ad Tech Tokyo 2009, Ad Tech Singapore 2010等でも講演。

社外においては、公益社団法人・日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会の代表幹事を、2011年から務めている。
北海道大学卒業、数学修士。日本数学会員オープン・モバイル・コンソーシアム メンバー

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