マット安川 オピニオン誌「月刊日本」の主幹・南丘喜八郎さんを迎え、解散以降混沌としている政局について、解説していただきました。党派よりも、個人の政治に対する志、行動力を見る選挙になるという話が印象的でした。

詭弁ばかりの政党マニフェスト。政党ではなく人を選べ

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:南丘喜八郎/前田せいめい撮影南丘 喜八郎(みなみおか・きはちろう)氏
月刊日本 主幹(撮影:前田せいめい、以下同)

南丘 今度の衆議院選挙で選ぶべき政党があるのか。私は政党ではなく、人を選ばざるを得ないと思っています。信頼するに足る人を選ぶ必要がある。というのは、党の公約というのはコロコロ変わるからです。

 民主党が3年前に掲げたマニフェストはほとんどインチキだった。しかし、できないことでも掲げれば政策ということになる。そしてマニフェストが実現できなくても、てんとして恥じない人たちがまた次に出るんです。

 ですから政策ではなく、本当にこの人は信頼できるのか、本当に命懸けで日本国のことを考え、日本国民のことを考えてくれる人なのか、ということを我われは見極めなければいけません。

 しかし、それが難しい。今の小選挙区比例代表並立制では、選挙区で1人しか当選できない。政党がその選挙区に1人の候補者を決めるので、我われは党が決めた候補者を選ばざるを得ない。ロクでもないやつが出てきても投票しなければならなくなる。

 例えば、小泉(純一郎、元首相)チルドレンは次の選挙でほとんど落ちました。3年前に当選した小沢(一郎、国民の生活が第一代表)チルドレンが今回の選挙で当選できるか、ほとんどできないと思います。

 つまり、我われはたった1回こっきりの、立ったり座ったり、賛成したり反対したりするだけの、まともではない政治家を選ばされているんです。

 今回の各党の候補者リストを見ても、勘弁してほしいという人ばかりですよ。スポーツ選手だとか、元タレントだとか。

 本当に命懸けで政治に参加したいという人は、今の小選挙区制度では実質的に出られない。ですから選挙制度そのものを考え直さなければいけないと思います。