経営を強くする

マネされる商品開発を忘れた日本のものづくり日本的経営を改めて考えてみた(36)

2012.09.26(水)  前屋 毅

ソニーだけでなく、パナソニックにNEC、そしてシャープと日本の大手電気メーカーが軒並み危機に直面している。つい最近まで世界市場を席捲していたはずの日本製家電が世界中から見放されてしまったようだ。

 そして各社ともに人員削減を強力に推し進めようとしているが、シャープも2012年度中に国内外で約5000人を削減することを決めている。同社は半世紀以上にわたって人員削減は回避してきたが、その聖域にもメスを入れることになったのだ。

 シャープの奥田隆司社長は8月に、「断腸の思いだが、今やらないと次の成長はない。上期に膿を出しながら下期から再生する不退転の決意で臨む」と人員削減について語ったそうだ。人員削減を強行すれば再生も再成長も実現できる、と受け取れる発言である。

 しかし、そう簡単にいくはずがない。人を減らすだけで企業が再生も再成長もできるなら、多くの日本企業がとっくに再生し、再成長の道を歩み始めているはずである。実際は、そうなっていない。

日本企業には「学習」する姿勢がないのか

 シャープは9月になって、さらなるリストラ案を発表している。10月から連結対象の子会社を含む国内従業員の約94%にあたる約2万7500人を対象に賞与と給与を削減するというのだ。

 これによって課長職以上の管理職は、4月から続いている給与の5%カットが10%に拡大し、今年12月と来年6月分の賞与は半減となる。一般の従業員も、5月に実施した給与の2%カットが7%に拡大する。賞与も半減する予定だという。

 辞めるか辞めさせられるかの話題が朝から晩までつきまとい、給与は確実に減るので生活そのものの見直しを迫られている、それがシャープで働く従業員の現状である。それで、「再建のために全力を挙げよ」と言われても無理難題としか思えない。

 だから、再生や再成長のためには、従業員のモチベーションを下げる単なる人員削減や給与削減は逆効果となる。そういう事例もうんざりするほど日本企業は見てきたはずなのに、学習する姿勢がないのが現実だ。

 過去と他社の成功は学ぼうとする(表面的な物マネで終…

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