酒好きの新常識!? トマトがアルコール分解を早める

アサヒとカゴメが共同研究

2012.07.30(Mon) JBpress
筆者プロフィール&コラム概要

酒の飲み過ぎがビタミン不足を招く

 大嶋さんによると、過度の飲酒が様々な栄養成分に影響することは過去の研究で明らかにされてきているそうだ。具体的には、ビタミンB1・B2欠乏、体内で生じるアセトアルデヒドがビタミンB6の働きを阻害、腸管からビタミンCを吸収しづらくなることでビタミンCの血中濃度が低下、ビタミンA・Eの肝臓中の貯蔵量が低下、尿中マグネシウム量が増加し、マグネシウム欠乏症になり、マグネシウム不足が原因でカルシウム吸収が低下するなど、例を挙げるとキリがない。「アルコール依存症の患者さんが、げっそりとしているのは、アルコールが原因でビタミン不足になるから」(大嶋さん)という。

 しかし、「分かっちゃいるけど、止められない」というのが酒のみの本音。「私も、仕事帰りに同僚たちと飲むのは大好き。そこで、おいしく、健康的に飲むにはどうしたらいいのか――というのが、研究の出発点になった」(相澤さん)という。

 お酒と野菜の組み合わせで期待できる効果は、「低カロリーなおつまみとして利用できる」ことだ。アルコールは1グラムあたり約7キロカロリーあるが、実際はそれだけのエネルギーは産生せず、直接、肥満の原因にはならないと考えられている。むしろ、問題なのはついつい楽しい気分になって、長時間ダラダラと飲んでいるうちに、ツマミに箸が伸び、思わぬうちに食事量が増えてしまうことにあるそうだ。

 そこで、肉や揚げ物ばかりでなく、意識的に野菜たっぷりのおつまみを取るように心掛けることで、総カロリー量を抑えることが可能になる。また、ビタミン豊富なトマトならば、飲酒によって身体の外に排出されてしまうビタミン類をタイムリーに補うことができるのもメリットだ。

トマト酒は焼酎よりも早くカラダから抜ける! 

 さらに、共同研究では「トマトがアルコールの代謝(分解)にも何らかの効果があるのではないか?」という仮説を立てて、本格的な研究を開始した。というのも、「トマトが二日酔いの予防・改善に効く」という古くからの言い伝えが世界各地に残っていることや、レッドアイ(トマトジュース+ビール)、ブラッディマリー(ウォッカ+トマトジュース)などトマトジュースを使ったカクテルが親しまれているのは、先人の知恵や経験の蓄積だと考えたからだ。

 まず、トマトの水溶性成分(トマトジュースを濾過した透明のエキス)とリコピン(トマトの赤い色素)を摂取させたマウスにアルコールを投与し、血液中のアルコール濃度を測定したところ、水溶性成分を与えたマウスのアルコール濃度が大きく低下することが分かった。

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