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東電元社長は平成の「無責任男」だ日本的経営を改めて考えてみた(34)

2012.07.13(金)  前屋 毅

疑問符のつく報告書だった。

 「国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」(国会事故調)は7月5日、最終報告書を決定し、公表した。

 そこでは、事故の根本原因を「人災」と断定した。「想定を超える自然災害」が原因としてきた東京電力(東電)の主張と対立するもので、それだけに国会事故調の報告書はマスコミにも注目された。

 福島第一原発事故における注目点の1つに、いわゆる「撤退問題」がある。東電が事故原発から作業員全員を撤退させると表明し、それに対して官邸は難色を示し、菅直人首相(当時)自らが東電本社に乗り込んで全員撤退を止めたと言われる問題だ。

 東電側は全面撤退を全面否定した。菅首相が東電に乗り込んできたのは「勘違い」からであり、過剰な介入と主張している。これに対し、菅首相をはじめとする当時の官邸スタッフは、当然ながら反発している。

 この撤退問題について国会事故調の報告書は、東電が全面撤退を検討した形跡は見受けられないとし、「東電は全面撤退する気だった」という官邸側の言い分を一蹴した。東電側の主張だけに耳を傾けた結論で、「首をかしげさせる記述」と報じたメディアもある。

官邸と東電の間で食い違う主張

 首をかしげたのは私も同じだった。事故当時の東電社長だった清水正孝氏を参考人に招致しての国会事故調委員会が開かれたのは、2012年6月8日のことだった。ここで一貫して質問に立った野村修也委員(中央大学大学院法務研究科教授、弁護士)は、議事録によれば次のように質問を締めくくっている。

 「もし万が一、このサイトから撤退するというのは事実として誰も考えていなかったとするならば、それは唯一根拠は、社長の御発言を信じているのではなくて、サイトの方々がやはり最後まで残るという意思を持っていたということだけが根拠になるだろうというふうに思うわけです」

 当日、委員会を傍聴していた私にも、この野村委員の発…

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