アレルギー表示はいつまで不十分なのか

食品表示はどう変わる?(前篇)

2012.07.06(Fri) 白田 茜
筆者プロフィール&コラム概要

 スーパーマーケットなどで売られる食品にある食品表示は「見にくい」「分かりにくい」と言われている。3つの法律が絡み複雑になっているのが一因だ。

 最近、食品表示の仕方を改めようとする動きがある。消費者庁で「食品表示一元化検討会」(以下、「検討会」)が2011年9月に発足。消費者団体や有識者、食品業界が参加し、「品質」と「安全性」が混在している現在の表示制度を見直そうとしているのだ。検討会は議論の大詰めを迎えている。

 そこで、情報量が多い割に肝心な「安全性」に関する情報が伝わりにくい現在の食品表示はどうあるべきか、論点を整理してみる。

 前篇では、現在の食品表示制度を紹介するとともに、中でも健康への影響が大きい「アレルギー」に関わる食品表示の問題に焦点を当てたい。後篇では、消費者の関心が高い「遺伝子組換え」と「原料原産地」の表示について述べたい。

3つの法律が複雑に絡んだ食品表示制度

 現在の食品表示制度は、「JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)」「食品衛生法」「健康増進法」の3つの法律が根拠になっている。

 JAS法は「賞味期限」「原材料名」など品質に関する表示を定め、食品衛生法は「アレルギー」「添加物」など安全性に関する表示を定めている。健康増進法は、特定保健用食品や栄養機能食品などを含む「栄養表示」を定めている。

食品表示に関する法律 (各法律を参考に筆者作成)

 複数の法律が関わることで項目の重複や用語の不一致もある。特に散見されるのがJAS法と食品衛生法での混乱だ。例えば、A社が製造した食品をB社で小分けして包装した場合、「製造者」はJAS法ではA社だが、食品衛生法ではB社になる。

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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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