まもなく米アップルがタブレット端末「アイパッド(iPad)」の新モデルを発表すると見られており、海外メディアの報道は同社関連の話題でにぎやかだ。
例えば、テクノロジー系ニュースサイトの米シーネットは、「アイパッドなどのアップル製品の市場支配がまだ続くことから、アップル株はまだ上がり続ける」などとするアナリストの見解を伝えている。
アップルに敵なし、Androidは「無害」なライバル
このアナリストは、アイパッドには当面、強力なライバルが現れないと見ている。
米マイクロソフトが先頃タブレット端末にも対応する次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ(Windows)8」の一般向けプレビュー版を公開したが、搭載端末が市場に登場するのは今年後半か来年初めになると見られている。
一方で米グーグルの「アンドロイド(Android)」を搭載するタブレットは台頭しているが、まだアイパッドのライバルとまで言えず、アップルにとっては「無害な相手」と表現している。
アナリストはアップルの市場優位性について、そのほかの理由も挙げており、例えば「米ヒューレット・パッカード(HP)の業績不振」「アップルのモバイルOS、アイオーエス(iOS)を取り巻くアプリ生態系の広がり」「ウィンドウズ8の互換性の問題」などがある。
さらに、先頃スペインで開催されたモバイル関連の国際見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」では、アイフォーン(iPhone)に匹敵するライバル端末が登場しなかったとし、アップルの優位性は同社新製品への期待の高まりと言うよりは、これといった対抗馬が存在しないことによってもたらされていると結論付けている。
利益と人気を生み出すアイパッドの価格設定
一方で米ワシントン・ポストは、ペンシルベニア大学ビジネススクール、ウォートン・スクールのマーケティング学部長の見解について伝えている。それによると、この学部長はアイパッドの価格に注目しており「利益と人気をともに生み出せる絶妙な価格設定が効いている」などと分析している。
アイパッドは、携帯メディアプレーヤーのアイポッド(iPod)とパソコンの中間という戦略的な価格設定がなされており、エンターテインメントとビジネスの両市場で、既存製品を脅かしたという。