イスラム教の「ハラール」では豚肉がタブーになっている、というお話を、このところいろんな角度からしているわけですが、さてしかし、どうして豚、ポークを食べちゃいけないんでしょう?

 今回は、その理由の一説をご紹介しましょう。と言いつつ、どれくらいアテにしていいものかは分かりません。こんなこと言っちゃうと身も蓋もないんですが、以下の説は僕の母が、母の父だか祖父だかから聞いてきたもので、どれくらい信憑性があるか、実のところ分かりません。

 母の祖父つまり曽祖父は明治期の外交官で鹿鳴館外交やらブラジル移民などを手がけ、母の父つまり祖父は100年前に米国に渡りゼネラル・モーターズ(GM)で米自動車産業の初期にエンジニアとして貢献しました。

 どちらがネタもとか分かりませんが、いずれにしても当時、海外に行くというのは数カ月船に乗るということを意味しており、以下のお話もそうしたヒマをもてあました洋上で語られたお話、ということで、ご参考になれば幸いです。

 再び、衛生基準としてのハラール

肝吸虫(ウィキペディア

 イスラムが豚肉を食べない最大の理由、それは「肝臓ジストマだ!」と母は言います。肝臓ジストマ、ご存じですか?

 私は子供の頃から以下の話、耳にタコができるほど繰り返し聞いてきたのですが、今回身の回りで聞いて見ると、必ずしもこんな言葉、知らない人も少なくありませんでした。

 ということで、一からご説明してみましょう。

 「肝臓ジストマ」というのは、動物の体に棲みつく「寄生虫」です。最近は「肝吸虫」と言うそうで これまたなんともイヤな名前の寄生虫です。

 僕が子供の頃から、母は繰り返しこんな話をしました。

 「豚肉はよーく火を通さなきゃダメなの。そうでないと、中に肝臓ジストマがいるから。イスラム教の人は豚肉を食べないくらいなのよ。あなたもよく注意しなさい」

 うんぬんうんぬん。