新・地方自治論

地方を「ミニ霞が関」にしてどうする

道州制も市町村合併も見落としている「人材」という落とし穴

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前回は、市町村合併についてお話ししました。北海道や九州、関西の経済界では盛んに道州制について議論が行われていますが、これも都会に住む人たちにとっては、なかなかイメージの湧かないテーマだと思います。

 実は、私も、道州制の議論は抽象的なものばかりなのではないかと思っています。

 道州制が必要だとされる理由の1つには、合併により県議会議員や公務員の削減が図れるというものがあります。しかし、そのようなことは合併をしなくてもできることです。議員の給料が高いのならば、また、数が多すぎるのなら、今の制度の下でも減らすことができます。

 また、「県の枠を超えて広域で対応した方が効率的にできる仕事がある」というのなら、業務提携すればよいだけの話です。前回の市町村合併と同じく、まず、できる限りの効率化をするというステップを踏まずに合併しても、ムダを温存することになりかねません。

道州制の議論はなぜ具体性を欠くのか

 何よりも道州制の議論の最大の問題点は、富を生み出す仕組みが見えてこないことです。

 「道州制になったら、このような経済活性化戦略が取れる」という具体論がどこにも出てこないのです。例えば北海道の道州制議論の時は、金融特区をつくるとか、千歳空港をハブ空港にするとかいろいろなアイデアがありましたが、どれも実現はしませんでした。

 唯一、橋下徹・大阪府知事の関西広域連合構想が面白いアイデアを出しています。日本周辺の国際航路は、すでに日本海が中心になりつつあります。韓国・プサンから日本海を抜けて、米国に行くというコースです。そこで、瀬戸内航路の大阪港や神戸港の整備にお金をかけるのではなく、舞鶴(京都府)や敦賀(福井県)あたりの日本海側に大きな港を造るという構想です。

 なかなか良い構想ではありますが、このようにどこか1カ所に重点投資をしていく構想は、他の県の人が決して了解はしないでしょう。

 道州制を実現しても、ピンポイントではなく、地域全体に投資をすることができなければ、地域の振興を図っていくことは難しいのではないかと思います。

道州制の導入に積極的ではない民主党政権

 さて、政権を取った民主党は、道州制についてどのように考えているのでしょうか。

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