年金だけで再建できるのか
そもそも年金問題を解決すれば日航は再建できるのか。
格安航空会社(LCC)の登場で、競争は激化している。上からエアアジア、ジェットスター、ライアンエア〔AFPBB News〕
航空業界の経営環境は厳しい。航空会社が自由に路線や便数を設定できるオープンスカイ(航空自由化)が進み、航空会社の再編が進んでいる。セルフサービス・低運賃のローコストキャリアー(LCC)も出現し、競争は加速するばかりだ。
不安定な航空燃料費に加え、昨秋以降は世界的な景気の減速で旅客需要も激減している。そうした環境の変化をよそに日航は派閥抗争や労使間対立に明け暮れ、問題を先送りする事なかれ体質を醸成してきたという指摘は少なくない。事故原因の究明なくして再発防止策を策定できないのと同様、業績不振の原因究明なくして本当の再建策は作れないと思う。
日航はみんなが名前を知っていて、いまも学生の人気ベストテンに入っている有名企業だ。だからといってなぜこの会社の救済に巨額の税金を使わねばならないのか。
1997年の金融危機の際には、銀行に100兆円規模の公的資金をつぎ込んだ。放置すれば経済の血流である金融システムが維持できなかったからだ。政府は今回の日航救済についても「潰れたら利用者が不利益を被る」と利用者利便を公的資金注入の理由にしている。
だが、日航がなくなったら利用者は他の移動手段を使うはずだ。日本は国土面積の割に空港密度が高い。道路や鉄道網が張り巡らされているし、海上輸送もある。利用者は目的地まで安全確実にたどり着くのが一番大事なのだ。
小手先の延命策に汲々とするより、日航はいったん整理して長年積み重ねた負の遺産を切り離したうえで再出発すべきではないか。国民の税金を使っても絶対に潰してはならない会社などあり得ない。
民間企業の経営にはリスクがつきものだ。リスクがあるからこそ、企業はそれを最小限にするために知恵を絞り、次の成長につながる新規事業に挑戦する。それに失敗した企業は消えていくのが資本主義のルールではないか。
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