テレビコマーシャルなどの影響もあって最近徐々に知られ始めたジェネリック医薬品(後発医薬品)。ただ、その具体的な話となるとよく分からないという人も多いと思うので、今回取り上げることにしよう。
先発医薬品と同じ点、異なる点
新薬として開発された「先発医薬品」は、20~25年(原則20年、最大25年)の特許期間においては、独占的にその薬品の製造販売をすることができるが、特許期間が終わると、ほかのメーカーも、同じ有効成分、同じ効能及び効果を持つ薬を製造販売できるようになる。
これが、ジェネリック医薬品で、先発医薬品よりも価格が安いことで注目されている。
なぜ価格が安いか? それは、研究開発費が安くて済むからだ。先発医薬品の開発には10年、20年、30年という長い期間を必要とし、そこでかかる費用は数百億円と言われている。
それに対してジェネリック医薬品の開発期間は約3年ほどと短く、さらに既に安全性や有効性が確かめられた成分を用いているので承認までの手続きも短い。従って研究開発費用も安くなる。
先発医薬品と比較した場合の有効性や安全性はどうなのかという点が気になるが、ジェネリック医薬品も厳しい試験をクリアしてから発売されるという点では先発医薬品と同じだ。「生物学的同等性試験」という、薬の有効成分がどのくらいの量と速度で血液中に入っていくかという試験を行い、先発医薬品と同等であることが確認されてから発売される。
先発医薬品とジェネリック医薬品の同じ点は、有効成分の種類と量、投与経路(飲み薬なのか注射なのか塗り薬なのか)、使用量と使用方法、効果と安全性などだ。
必ずしも同じではない点は、適応症、剤形、添加物などだ。適応症としては、ジェネリック医薬品の適応症が、先発医薬品の持つ適応症のすべてをカバーしていない場合がある。