村竹ラシッドが日本短距離界で最高順位

2024年8月8日、パリ五輪、陸上、男子110mハードル決勝、村竹が「ジョジョ立ち」で入場 写真=ロイター/アフロ

「龍司がしっかり入賞してくれて、大学の同期として僕も負けずにしっかり走ろう、と思いました」

 今度は三浦の活躍に村竹が刺激を受けた。8月8日に行われた男子110mハードル決勝。村竹はスタート前に〝ジョジョ立ち〟を披露した。

「決勝進出という目標は達成したんでけど、試合を楽しむことを忘れていたなと思ったんです。決勝は選手紹介があるので、どうやったらインパクト残せるかな?と思ったときに自分は『ジョジョの奇妙な冒険』が好きなので、あれをやろう、と」

 ジョジョ立ちでアニメファンを沸かせた村竹は陸上ファンのハートもつかんだ。最初のハードルをぶつけるも、しっかり立て直す。中盤では2~3番手を争い、フィニッシュラインに駆け込んだ。メダルには届かなかったが、13秒21(-0.1)で5位入賞。日本短距離界では最高順位に食い込んだのだ

「目標の入賞を達成できて、レース当日は楽しい思いが強かったんですけど、4位の選手に0秒01差で競り負けてしまった。メダルに届かなかった悔しさが大きくなっています。日が経つにつれて、ここも改善できたんじゃないかなという後悔が出てきました」

帰国後に取材を受ける村竹 写真=酒井政人

 予選、準決勝、決勝。パリ五輪のレースを見返したが、本人はまったく納得していない。

「満足いくような動きはできていなかったですね。国内で出した記録(13秒04の日本記録)を世界の舞台、ましてオリンピックで出すのは本当に難しいんだなと感じました。動きとしては、自分は抜き足がちょっと遅れてしまう部分があるので、そこが一番良くなかったのかなと思います」

 村竹はパリでの悔しさ来年の東京世界陸上にぶつけるつもりでいる。

「次はメダルを獲ることが目標なので、より良い色のメダルを目指して、まずは1年間しっかり練習を積みたい。そして来年は国立競技場でその成果をいかんなく発揮したいと思います」

 男子110mハードルの村竹ラシッドと男子3000m障害の三浦龍司。先に世界大会の〝メダル〟をゲットするのはどっちだ。