文=酒井政人 写真提供:オン ジャパン

最速レーシングモデルの『Cloudboom Strike』が登場

 スイスのスポーツブランド「On(オン)」の勢いが止まらない。

 4モデルからなるランニングシューズコレクションの「Prism Capsule」を7月11日から発売。国内では初回入荷分の半数以上が初日に売れるほどの人気を集めているのだ。

 なかでもマラソン向けの最速レーシングモデルとなる『Cloudboom Strike』が面白い。都内で行われたメディア向けの新作説明会で、Onのアスリートストラテジー アドバイザーを務める横田真人氏(男子800m元日本記録保持者、ロンドン五輪代表)がこう絶賛した。

「とにかく跳ねる。バィーンという表現が一番合う。これまでと違った感覚のシューズで、楽にスピードが出せると感じています」

 筆者も試し履きをしたが、これまでのOnで最高の〝バィーン感〟を味わうことができた。

『Cloudboom Strike』36,300円

『Cloudboom Strike』の最大の特徴は、「バンスボード」と呼ばれる前足部が分厚いインソールを採用していることだ。このイノベーションがカーボンプレートとミッドソール(小さいがOn独自のクラウドテックもついている)と融合し、最大のエネルギーリターンと効率性を実現したという。

「一般的なモデルはペラペラのインソールが入っていると思うんですけど、こういうとこに着目するのがOnぽいかなと思います。バンスボード自体に反発とクッション性がある。試しに違うモデルに入れたり、抜いて走ってみたんですけど、この効果は凄く大きいです。またシューズに厚みはあるんですけど、フィット感があるので、実際の重量(210g/26.5㎝)より軽く感じます」(横田氏)

 アッパーには通気性、サポート性を追求した一体型の半透明メッシュを採用。新構造のヒールとシュータンも、これまでにない高いフィット感と快適性につながっている。

 では、どんなランナーにお勧めなのか。

「中距離のレースペースだと沈みすぎる感覚があるんですけど、僕のマラソンペースであるキロ4分00秒~3分40ぐらいだと心地よくスピードを出すことができます。マラソンでいえば、サブ3やサブ3.5を目指す方に履いていただきたいですね。シューズのポテンシャルを引き出すためにも、ある程度、慣らしてからレースに使用してほしいと思います」(横田氏)

『Cloudboom Strike』の価格は税込36,300円。同モデルの取扱店は現時点でKOIKESPORTS、KOIKESPORTSオンラインストア、アートスポーツ本店、アートスポーツ リンクス梅田店、ヨドバシ.com、Alpen TOKYO、スーパースポーツゼビオ 東京御茶ノ水本店に限られており、サイズによってはすでに再入荷待ち状態だという。

 しかし、秋に登場する新色はより多くの店舗で販売される予定。秋冬のマラソンレースに向けて、購入の準備をしておいた方がいいかもしれない。

 

7月27日開催の「On Track Nights: MDC」も熱い

 Onは横田真人氏が代表を務めるTWO LAPSと共同で、7月27日(土)に東京・世田谷区の大蔵運動公園陸上競技場で「On Track Nights: MDC」というイベントを開催する。

 On Track Nightsは「レースの概念をがらりと変える」をコンセプトに2023年から世界5都市で展開している競技性とエンターテイメントが融合した型破りな陸上イベント。一般的な陸上競技の大会と異なり、「フェス」のような雰囲気で絶大な人気を集めている。

 東京が6都市目の開催で、今回はトラックの中距離種目(800m、1500m、3000m)に特化したイベントになる。日本記録更新で100万円の賞金が出ることもあり、選手たちのモチベーショは非常に高い。

 なかでも注目は男子1500mか。日本記録は3分35秒42。今回は3分36秒台のタイムを持つ荒井七海(Honda)、館澤亨次(DeNA)、遠藤日向(住友電工)。それから男子800m日本記録保持者の川元奨(スズキ)が参戦する。

 開場は11時30分で、グランプリレースは17時13分から始まる。現在、観戦チケットを発売中で、18歳以下は無料だ。イベント会場では新発売された『Cloudboom Strike』の試し履き会も実施する。未知なる〝体感〟をぜひ味わっていただきたい。

 

秋には〝近未来モデル〟が登場予定

 2010年に誕生して、急成長を遂げているOnは今秋にも革新的なモデルを発売する。パフォーマンスシューズにおける、ブランド史上初のアッパー製造技術「ライトスプレー」を駆使した『Cloudboom Strike LS』だ。

 ビジュアルからスポーツシューズの常識を覆している。

 自動化されたロボットアームを使用することで、たった一つの工程で正確かつ高速(片足3分)にアッパーを製造。立体成型のため、極薄でシームレス、シューレースも不要というモデルだ。アッパーの重さはわずか30g。シューズ全体でも170gという超軽量で、足にぴったりフィットする。

 世界大会で活躍しているヘレン・オビリは開発段階の『Cloudboom Strike LS』を履いて、今年4月のボストンマラソンを連覇した。ケニアの女子マラソン代表に選出されており、パリ五輪ではどんな走りを披露するのか。

『Cloudboom Strike LS』は秋冬シーズンに販売予定。価格は税込み44,000円だ。このモデルが未来のスタンダードになるかもしれない。