文=酒井政人

2024年6月27日、日本選手権、男子3000m障害決勝、左から、柴田大地(中大)、新家裕太郎(愛三工業)、青木涼真(Honda)写真=YUTAKA/アフロスポーツ

3000m障害で柴田が大幅ベスト

「日本一」を決める舞台である日本陸上選手権。今年はパリ五輪の〝最終トライアル〟となった。例年以上に熱いレースが繰り広げられたなかで、学生ランナーも活躍した。

 まずは男子3000m障害。大会3連覇中の三浦龍司(SUBARU)が不在でもレベルは高かった。そのなかでサプライズを演出したのが柴田大地(中大2)だ。

 レースは2000mを8分42秒で通過すると、優勝争いは新家裕太郎(愛三工業)、柴田、青木涼真(Honda)の3人に絞られた。そして徐々にペースが上がっていく。最後は青木が残り半周でスパート。ブダペスト世界選手権14位の実力を見せつけて、8分24秒21で優勝した。

 柴田は最終障害で脚が合わずに遅れるも、新家を抜き去り、最後は青木に迫る。日本歴代8位の8分24秒68でゴールに駆け込んだ。このタイムは洛南高の先輩・三浦に次ぐ学生歴代2位で、自己ベストを一気に約18秒も塗り替えたことになる。

「関東インカレ(1部2位/8分42秒90)でサンショーは一区切りしようと思ったんですけど、来年の東京世界選手権を目指すうえでも日本選手権で勝負しました」と柴田。出場した選手17名のなかで持ちタイムは一番下だったが、準優勝まで一気に駆け上がった。

 しかも、「ラスト1周まで結構余力があった」ようで、最終障害をうまくクリアできていれば、違う結果になっていたかもしれない。

「詰めの甘さというか、最後の水濠と障害で勝負させてもらえなかった。青木さんは世界大会を何回も経験していますし、レベルの差がまだまだあったかなと感じています」

 それでも今回の快走は柴田だけでなく、チームにとっても〝勢い〟になっただろう。今年の箱根駅伝は10区で区間9位。総合13位で悔しいゴールを迎えただけに、駅伝への思は強い。

「今後は5000mと10000mで記録を狙って、10月の箱根駅伝予選会は日本人トップを狙うような走りをしないといけないと思います」

 箱根駅伝は予選会からの出発となる名門・中大。3000m障害で世界を目指す柴田の走りに注目したい。

 日本選手権と同時開催されたU20日本選手権は男子5000mでルーキーたちが好走した。優勝は濱口大和(佐久長聖高)に譲ったが、2位の松井海斗(東洋大)が13分46秒34、3位の桑田駿介(駒大)が13分46秒75と自己ベストを更新。岡田開成(中大)が13分47秒41で4位に入った。3人とも関東インカレに続いて結果を残しており、今後のトラックレースでタイムを大幅に短縮する可能性を秘めている。