DVD、CD、ゲーム、コミックの販売とレンタルを手掛けるメディアショップ「GEO」と、衣料や服飾雑貨、家電製品といった中古品の買取販売を行うリユースショップ「セカンドストリート」を中心に展開するゲオホールディングス。レンタル事業が厳しい環境に置かれる中、リユース事業がけん引する形で業績を伸ばしている。基盤となるシステムは同じながら、時代に合わせて事業形態を変革していく試みについて、代表取締役社長執行役員の遠藤結蔵氏に聞いた。
GEOがあったからこそリユース事業は成功した
――サブスク隆盛の時代ですが、レンタル事業の環境についてどう認識していますか。
遠藤結蔵氏(以下、敬称略) レンタルの映像コンテンツに関しては、決して明るい未来があるわけではないことは認識しています。
われわれがレンタルビデオ店を始めた1986年は、人々の時間の使い方の優先順位としてビデオ鑑賞が上位にありました。しかし現在は無料でいろいろなコンテンツがスマートフォンから拾えるし、映画を見るにしても配信サービスがあるのでレンタル業にとって厳しい現状は間違いありません。
ただ、お客さまのニーズがまだ残っていて、メーカーさんから許諾を頂いてやっている商売ですので、それがある限りは継続したいと考えています。
――創業者の遠藤結城氏も、レンタル事業はいずれ縮小すると予見していたそうですね。
遠藤 具体的にスマホやタブレットが登場するところまではイメージできていなかったと思いますが、いずれその時が来ると思っていたでしょうね。私が本格的に危機感を抱いたのも、やはりスマホが普及してきた時期です。
――その時期からリユース事業も強化していましたが、それまでレンタル事業で手掛けてきた買い取りのノウハウを生かせたのでしょうか。
遠藤 われわれはもともと、お客さまの暮らしが少しでも豊かで楽しくなれば良いと考えてきました。そのために製品を売買、あるいはレンタルをすることができる基幹システムを内製化し続けてきています。
その仕組みにゲームやDVD、CD、コミックなどを載せたのがGEOで、服や雑貨を載せたのがセカンドストリートという認識です。同じシステムを使って違う品種を扱っているだけなので、大きく違うことをやっている認識はありません。
――リユース事業が成功した秘訣はどこにあったのでしょうか。
遠藤 GEOがあったからだと思います。GEOのお客さまに支えられて健全にキャッシュを生めていたことが、同じ仕組みを使うリユース事業の成長に前向きに投資できた大きな要因だと捉えています。