第4回「U35新宿ビジネスプランコンテスト」のファイナルイベントに進出した若き起業家たち(前列中央の6名。写真提供:新宿区 文化観光産業部 産業振興課)

(朝岡 崇史:ディライトデザイン代表取締役、法政大学大学院客員教授)

 2022年2月7日の夕刻。今年で4回目の開催となる「U35新宿ビジネスプランコンテスト」(SHINJUKU DREAM ACTIVATION Ⅳ)のファイナルイベント「JUMP UP !!」が東京・西新宿の「BIZ新宿」多目的ホールで開催された。

 今回も新型コロナ感染防止対策のため参加者は関係者のみとなった。収録されたファイナルイベントの映像は2022年3月上旬にインターネット配信される予定だ。

 新宿区と東京商工会議所新宿支部が共同で主催するこの活動に、筆者は2019年の第1回から「アクティベーター」として微力ながら支援をさせていただいている。アクティベーターとは(少しカッコ良く言えば)若き起業家たちに伴走しながら、彼らの「世の中を本気で変えたい」という熱き「妄想」を受け止め、ロジカルな「構想」へと昇華させることを支援する触媒(カタリスト)のような存在である。

(参考)「若き起業家の社会イノベーション、必要な支援は何か」(『JDIR』2019.5.15)

 今回は2月7日のファイナルイベント当日の様子に加え、「U35新宿ビジネスプランコンテスト」が誕生した背景、そしてコロナ禍という悪条件の中でも新宿区と東京商工会議所新宿支部がこの活動を力強く継続する理由などについてレポートしたい。

6名の若き起業家が事業アイデアをアピール

「U35新宿ビジネスプランコンテスト」には、新宿区で事業の立ち上げを目指し、(1)35歳以下で区内に在住・在学・在勤していること、(2)創業後3年以内の区内中小企業者で代表者が35歳以下であること、のいずれかの条件を満たせば誰でも応募が可能である。

 今回は昨年9月5日の応募締め切りまでに42件の応募があった。10月上旬に行われた<一次選考>書類評価で10件に絞り込まれ、その後、10~12月のアクティベーション実施(アクティベーターによるビジネスプランのブラッシュアップ支援)を経て、12月の<二次選考>評価委員(アクティベーターとは別に任命された5名の委員)による面接評価でファイナルイベントに進出する上位6名が選出されるという流れになっていた(下図「スケジュール」を参照)。

第4回「U35新宿ビジネスプランコンテスト」のスケジュール
出典:U35新宿ビジネスプランコンテスト事務局(新宿区 文化観光産業部 産業振興課)のウェブサイト
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