「ユーレカパーク」に出展したスタートアップの中から10年後に次のGAFAになる企業が出現する可能性は決して小さくない。PCの時代のリーダー企業(インテル、マイクロソフト)がインターネットの時代にはリーダーになり得なかったように、これから本格的に到来するデータやAIの時代に今のGAFAがリーダーであり続ける保証はどこにもない。
ただし、今、ビジネスアイデアの「探索」を始めなければ近い将来、好ましい変化は何も起こらない。成功の反対は失敗ではなく、失敗を恐れて何もしないこと、ではないだろうか。
時代の競争ルールが壊れている時代はベンチャーにチャンス
そういう意味で、コロナ禍で既存の産業が大ピンチの今は、若き起業家にとって逆に千載一遇のチャンスなのかもしれない。ファイナルイベントのクロージングで、評価委員のリーダーを務めるCDO Club Japan代表理事の加茂純氏が「時代(の競争ルール)が壊れている時代、ベンチャーにはチャンス」という印象深いコメントを残されたが、まさに正鵠を射た指摘だと思う。
幸い、新宿のまちには新宿マルイがディベロッパービジネスの新しい業態として「売らない店舗」を戦略的に取り入れるなど、既存の事業者が自らの足元(資産や組織能力)を点検し、従来のビジネスを「深化」させる野心的な取り組みがすでにスタートしている。
(参考)「『売らない店舗』が立ち返るべきブランドの原点とは?」(『JDIR』2020.11.14)
それでは斬新なアイデアで、新宿の、日本の、そして世界の新たなビジネスプランを「探索」する可能性のある担い手は誰か。毎年、「本気で世界を変える」という熱い気持ちを持って「U35新宿ビジネスプランコンテスト」にエントリーしてくる若き起業家たちが、その有力な候補であることは、もはや言うまでもないだろう。