製造拠点改革の障害を打破して足元課題を解決

 足元の課題解決とはいえ、タイ製造拠点の改革にはある一定の難しさがあることが予想される。筆者の経験からその障害は3つあると考えている。

 しかし、これらの障害で改革が進んでいない(進められない)企業が存在していることも事実である。

 特にやっかいなのが「本社の呪縛」だ。問題の多い製造拠点に対しては、どうしても日本からの手厚いサポートが必要になる。課題解決が進んでもこのサポートが続いているようであれば、いつまでもタイ製造拠点の意思決定が進まず、指示されたままの動きしかできなくなってしまう。

 ある一定期間は有益なサポートだったとしても、時間の経過とともに改革の障害になる皮肉な結果を生んでしまうわけである。自立運営できる製造拠点を実現するには、改革への意欲やスキルを高めて障害を打破しなければならない。