今後はさらに取り組みを推進させ、ウェルビーイングにも拡大
ダイバーシティに取り組んだことによる社内の変化として、堀江氏は外国籍の社員や女性社員も含め、多様な人材と才能が活躍できるようになったことを挙げる。「アクセンチュアにはロジカルな説明が上手なコンサルタントや、デザイン力を用いて感性をロジカルに表すクリエイティブ人材など、さまざまな人材がいて、コラボレーションしながら仕事をしているんです。そういう人たちが、それぞれ自分らしく力を発揮できる会社の在り方を意識しています。それによって、従来型のコンサルティングの仕事はもちろん、顧客体験のデザインなど、クリエイティブな仕事に付加価値を出すこともできるしと、弊社の提供できるサービスの質と幅が広がったと感じています」
現在の取り組みをさらに推進していくことはもちろんだが、さらにメンタルヘルスやウェルビーイングといったテーマにも積極的に取り組んでいきたいと、堀江氏は語る。「やはり、社員一人一人が心身ともに健康で活躍できることが大前提ですから。今はコロナ禍ということもありますし、心のよりどころや健全なメンタルを持つことは、ビジネス面においてもパフォーマンスを上げるのに大事なことです。具体的に会社としてどのように実現していくのか、今年度より企画が動き始めたところです」
アクセンチュアのダイバーシティ推進は順調に見えるが、取り組みを始めた2006年当初は、思うように成果が出なかったという。その突破口となったのが、当時のCEOがイクオリティの強化を始めたこと。その後、日本法人の社長である江川昌史氏が女性活躍を含めた働き方改革を主導したことだった。
堀江氏は、「やはり、社内に強いリーダーシップがあるというのは大きいですよね。今のCEOのジュリー・スウィートや日本法人の社長の江川などが、さまざまな強いメッセージを継続的に出し続けることによって、社員が安心できる理由にはなっていると思っています。経営者がダイバーシティ推進を経営戦略・成長の源泉として位置付け、コミットし続けることが大切です」と語る。
さらに堀江氏は、アクセンチュアのコアバリューにもある「Respect for individual」を挙げ、ダイバーシティを推進する上で“個”を尊重することの重要性を説いた。「ダイバーシティのような取り組みを進める側にとっては異なる意見を持つ人たちにはその人たちの思いや事情があるわけなので、全否定するものではないですよね。お互いに考え方を尊重し合いながら、敬意を持って一緒に仕事をしていくというスタンスは、ダイバーシティにおいては不可欠なものだと思います」
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