経営・現場・人事が一体となって現場の実状に合った対応をとれる推進体制
ディスアビリティ・インクルージョン領域では、障がいのある社員が能力を十分に発揮できるよう、障壁のないインクルーシブな環境を保証する取り組みにも注力。全国のオフィスやセンターで、一人一人の特性に合わせて、アクセンチュアのビジネス全体を支える幅広い業務を担っている。
自分らしさを生かして存分に能力を発揮できるよう、全ての社員にインクルーシブな環境保証を目指すのが、LGBTQプライドだ。堀江氏によると、「LGBTQの方のカミングアウトを推進するのが目的ではなく、どんな人でも居心地よく仕事ができるように、ALLY(味方)を増やしていくことを重視しています」とのこと。
これらI&Dの4領域の体制の特徴は、経営・現場・人事が一体となって推進されていることだ。社内の各組織にI&Dスポンサー(部長レベルの責任者)を置くことで、それぞれの組織の実状、課題に応じたアクションをとれる体制を構築している。
また、各ダイバーシティの領域に課題や関心を持つ社員が、コミッティと称して組織横断で集まり、ボトムアップで全社的な課題解決を行っている。
I&Dの取り組みを日本で展開し始めた当初は、管理職も含めて男性比率が高く、体力勝負のムードが色濃かった時代。 一部社員からの戸惑いの声もあった。堀江氏は、「どんな取り組みでも、実行する際に異なる意見というのは必ず出てくるものですよね。“女性の管理職を増やしたら、会社の仕事が立ち行かなくなるのでは?”“育休中の人や時短勤務の人は、高く評価できないのではないか”といったことですよね。そういう人たちとさまざまな形でコミュニケーションをとって、性別ではなくスキルで、時間ではなく成果で評価するよう積極的に働き掛け続けました」と振り返った。
社員の意識改革の一つとして、2014年から取り組んでいるのがアンコンシャス・バイアス研修だ。日々の行動や考え方の背景に誰もが持っている無意識のバイアスを自身で認識し、多様性を積極的に受け入れることの重要性を知ることを目的としている。
堀江氏は、「意思決定をする立場の人間がバイアスを持っていると、偏った結論になってしまいます。評価や配属といった会社の経営業務に直結するような重要項目においては、特に影響しますよね」と説明する。
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