また、2四半期における逸失広告収入はフェイスブックだけでも83億ドル(約9400億円)に上り、SNS大手の収入減少は今後数四半期続くと、広告技術コンサルタントのエリック・スーファート氏は予測している。

 メタ(旧フェイスブック)のシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)は先の決算説明会で、「アップルの広告規制強化がなければ売上高はもっと伸びていた。当社と当社の広告主は今後もその影響を受けるだろう」と説明。フィナンシャル・タイムズによると、同氏は「ルール変更で当社が提供するターゲティング広告の精度が下がった。広告効果の測定も困難になった」とも述べたという。

 メタのデビッド・ウェーナーCFO(最高財務責任者)は、アップルの新ルールがもたらす影響について「若干ではあるが我々が予想していたよりも破壊的だ。厳しい」と述べたという。

ツイッターとグーグル、影響は限定的

 これに対し、ツイッターやグーグルへの影響は比較的軽微だと言われている。米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ツイッターもネット広告を主力事業としているが、同社は影響を受けにくいブランド広告が中心。直接的な販売に結びつく商品広告と異なり、広告主はブランド広告に対して効果の定量化を求めない傾向があるという。

 ロテームによると、ツイッターはモバイルアプリへの依存度が約50%で、スナップの約98%やフェイスブックの約90%、ユーチューブの約70%と比べて低い。ツイッターの21年7~9月期の広告売上高は11億4000万ドル(約1300億円)で、1年前から41%増加した。

 グーグルはインターネット検索広告を主力事業としている。利用者が入力する検索キーワードに関連する広告を表示するサービスが主体であり、アプリやウェブの行動追跡に大きく依存しない。例外はユーチューブだが、ルース・ポラットCFO(最高財務責任者)は「(ユーチューブへの)影響は限定的だ」と説明している。