ライフコーポレーション、イオン、西友もラストワンマイルに注力

 ラストワンマイルに力を入れるのはセブン&アイHDだけではない。アマゾンと組むライフコーポレーション、英オカドと提携するイオンなどもネットスーパー市場を攻略しようとしている。どの企業連合が「便利で、安く、早い」サービスを構築できるのか。数少ない成長市場を巡る争奪戦がいよいよ本格化する。

 こうした中、「ネットスーパー日本一」を掲げるのが西友だ。今春、2025年12月期を最終年度とした中期経営計画を策定した。数値目標として、流通総額を現状の7850億円に1000億円上乗せし、営業利益を現状の2倍に引き上げる。戦略の柱はネットスーパー。専用倉庫の新設などを通じて販売エリアを広げ、事業売上高で1000億円、全社売上高に占める割合を2桁に伸ばす。

 楽天西友ネットスーパーは、店頭出荷と倉庫出荷のハイブリッド型で展開している。今春に改装した「サニー春日店」にはネットスーパーの作業場を設置した。これまではネットスーパーの作業場を店舗後方に設置してきたが、今回、それを売場内にもってくることで、梱包などの出荷作業を来店客が見られるようにした。

 22年初頭には大阪府で同社3カ所目となるネットスーパー専用倉庫を稼働させる。現在は横浜市と千葉県柏市の物流センターおよび店舗から商品を出荷しているが、関西に配送拠点を設置するのは初めて。大和ハウス工業が開発する地上4階建ての大型物流施設「DPL茨木」(延べ床面積約5万8000平方メートル)の全フロアを賃借する。常温・冷蔵・冷凍の3温度帯で商品を保管できるほか、搬送などの自動化設備を導入し、倉庫内の作業を効率化する。これにより、当日配送枠を拡充し、関西地域における供給能力を強化する。

 その後も新設を検討する。商品を配送できる地域を増やし、より幅広いエリアをカバーする体制を構築する。株式の20%を所有する楽天グループとは、「楽天ポイント」を活用した新たな客層の開拓や情報システムの開発などでも連携する。

 西友の株主であるKKRと楽天、ウォルマートは「それぞれの専門性を相互に活用しながらイノベーションとデジタル・トランスフォーメーション(DX)を加速させ、西友が日本を代表するOMOリテーラー(オンラインとオフラインが融合した小売業)として躍進できるよう協業する」としている。

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