グループ間での協業で、配送距離と車両台数を削減

 配送コスト削減では、東京・品川エリアで実施した「ラストワンマイルDXプラットフォーム」の実験がある。これまでは傘下のコンビニやスーパーマーケット、外食、百貨店それぞれが配送網を持ち、個別に宅配しているが、今後は各社の自前の配送網をグループで共有化。各社の配送の利用状況などをまとめ、最も素早く運べる配送網を選択、宅配するシステムを作る構想だ。配送網の繁閑にあわせ、セブン-イレブン・ジャパンの宅配網でスーパーマーケットや百貨店の生鮮品を届けることなどを計画。実験結果では配送距離で最大40%、車両台数で最大45%の削減を得た。

 デニーズが利用する宅配代行サービスは昼・夕食のピーク時間帯に配送員が確保しにくく、宅配に時間がかかる場合も多い。セブンの宅配網も使うことで配送の繁閑を平準化して、安定して宅配できる形にする。さらにそごう・西武の総菜などをグループの配送網を使い、宅配することにも取り組んだ。

 DXプラットフォームの構築により、グループのさまざまな商品を1回の配送でまとめて受け取れるほか、プライベートブランド(PB)などグループ共通の商品であれば最寄りのコンビニから配達することも可能になる。

 ネットコンビニは22年春から名称を北米に合わせて「7NOW」とする。「6~8月のセブンIDのデータによると、店頭とネットコンビニを併用したお客さまの中から、昨年ネットコンビニを利用していなかったお客さまを抽出して購入金額を調べたところ、ネットコンビニを利用しても、店頭購入額が落ちていないことが分かった。今後の成長の大きな要素になる」(井阪社長)とし、25年度にはグループ全体で約6000億円の売上規模を目指す。

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