売上高の伸び鈍化、アップル規制強化が影響

 この日同社が発表した21年7~9月期の決算は、売上高が前年同期比35%増の290億1000万ドル(約3兆3100億円)、純利益が同17%増の91億9400万ドル(約1兆500億円)だった。主力のインターネット広告は引き続き伸びたものの、売上高の増加率は4~6月期の56%から鈍化した。米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、7~9月期の売上高増加率は20年10~12月期以降で最も低い。

 アップルが今年4月に実施した、プライバシー保護のための広告規制が響いたというのがその理由だ。フェイスブックのシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)は決算説明会で、「アップルの広告規制強化がなければ売上高はもっと伸びていた。当社と当社の広告主は今後もその影響を受けるだろう」と述べた。

告発者のホーゲン氏、英議会でも批判

 フェイスブックを巡っては、元社員のフランシス・ホーゲン氏による内部告発が米メディアに報じられ、同社に対する批判が高まっている。21年10月22~23日には17のメディアが同社の企業体質や管理体制に関する社内文書の内容を一斉に伝えた。米CNBCによると、ザッカーバーグCEOは決算説明会の冒頭で一連の報道に触れ、「誠実な批判は我々を良い方に向かわせる。だが、内容を恣意的に抜き出し、当社を誤ったイメージで描こうとする協調的な行為だ」と反発した。

 一方でロイターによると、告発者のホーゲン氏は同日、英議会に出席し、「フェイスブックはオンラインの安全をコストとみており、拙速を良しとする新興企業的な文化がある。それがヘイトスピーチ(憎悪表現)を悪化させていることは疑いもない」と批判。「アルゴリズムが過激かつ分断をあおるコンテンツを配信している。これを止めない限り世界中でさらに多くの暴力的混乱が起きる」と述べた。

 (参考・関連記事)「フェイスブック、さらに波紋広げる元社員の暴露文書 | JDIR