悪循環になっている高齢者の身に起きている4つのこと

 この10年間で日本の人口は300万人ほど減り、次の10年間では600万~800万人減少します。マーケット自体は5~6%減ります。一方、われわれのお客さまである80代以上は、次の10年で1200万人から1600万~1700万人に、約3割増えます。この数字も非常に大きな意味があります。介護従事者の労働人口が今より3割も増えることになりますが、社会保障費をこれ以上増やすことはかなり厳しいのではないでしょうか。

 高齢者の生活上の問題は、上の図の4つが相互に影響し合っています。人口が減り高齢者が増えていく中で、当社(とくし丸)は「買い物に困っている人に手段を与えるだけでいいのか」と自問を繰り返しています。

 また、5年後、10年後には、団塊の世代が80代に入り始めます。この世代はスマートフォンを使いこなしています。また、プライバシーを大事にするため、地域や隣近所との付き合いはあいさつ程度で深く入り込まない方が多いという、現時点のとくし丸のお客さまとは違ったセグメントの方々です。10年単位の環境の変化を考えた場合、買い物難民の問題を解決するだけでは、われわれの役割を十分に果たせないということです。