マネジャーは中長期を大事にすることも重要

 マネジャーは、現場担当者に「忙し過ぎて、品質が悪くなった」「忙しくて能力向上・業務改善ができない」というような言い訳をさせるような高負荷状態にしてはならない。それでは、組織能力の向上が図れず、長い目で見たときに組織を弱体化させてしまうからである。

 マネジメントを担う人間の責任は、短期的な成果を上げることだけでなく、中長期的に組織能力を高めることにあることも、強く意識すべきだ。その意味で、「今さえなんとかなればいい。当面やり過ごせればいい」という考え方は、まっとうなマネジメントの姿勢ではない。

 組織マネジメントは中長期の視点を第一義にすべきである。現場で仕事をしていれば、「急げ」「今の仕事をしっかりやれ」という短期的なプレッシャーは周りからおのずとかかるものだ。

 いわば、偏西風のように現場にはいつだって短期重視の風が吹いている。現場を預かるマネジャーは「急げ」というような恒常風に乗っかったメッセージを発するのではなく、中長期を大事にするという別の向きの風をつくってこそ、現場マネジメントの意味があると考える。

コンサルタント 塚松一也 (つかまつ かずや)

R&Dコンサルティング事業本部
シニア・コンサルタント
全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント

イノベーションの支援、ナレッジマネジメント、プロジェクトマネジメントなどの改善を支援。変えることに本気なクライアントのセコンドとしてじっくりと変革を促すコンサルティングスタイル。
ていねいな説明、わかりやすい資料をこころがけている。
幅広い業界での支援実績多数。