適用範囲を社内稟議(りんぎ)・契約書管理にも拡大した

 電子契約サービスを導入する多くの企業は、下記のように契約締結の部分にのみサービスを適用しています。

〈一般的な使用イメージ〉
① 契約書(PDF)をアップロード。押印・署名などの場所を指定し送信する
② 契約の相手方権限者に確認依頼のメールが送付される
③ 相手方権限者がクラウドサイン上で押印する

 しかし、当社の場合、その適用範囲は契約締結の前後にある社内稟議(りんぎ)、契約締結、契約書管理の全てに及びます。サービス上では相手方権限者のみならず、社内稟議(りんぎ)の関係者を選択できるフローを構築しました。

 複数のサービスがある中、クラウドサインを導入した決め手もこの部分にありました。スイス本社では別の電子契約サービスを導入していますが、業務を合理化して少しでも多くの時間を捻出するためには、クラウドサインが適任でした。そのため本社を説得し、同サービスを導入しました。

 クラウドサイン導入により、会社全体で計算上年間1000時間の削減効果が生まれました。例えば、法務部だけで考えても、1人につき社内回覧(5分)、製本(5分)、押印(5分)、通勤時間(20時間/月)、過去の契約書の閲覧(40時間/月)を削減しています。もちろん、事業部でも同様の効果が生まれています。

 社内稟議(りんぎ)に回すため上司のもとへ書類を持っていくにしても、郵送で書類を送るにしても、そこには必ず“ちょっとした時間”が生まれていました。契約書管理も同様で、紙で保管された過去の契約書を閲覧するにも“ちょっとした時間”が割かれていました。そうした“ちょっとした時間”も企業単位で合算すれば、多くの時間になります。

 この時間削減効果以外にも、電子契約の導入によって「ビジネスのスピードアップ(20日→3日)」「印紙などのコスト削減(約150万円)」「偽造・紛失リスクなし」「リモートワークの実現」などの副次的効果も生まれています。