カルビーはどうNewWorkstyleに移行したか?

人事視点からのワークスタイル変革のプロセスとその後の様子

JBpress/2020.10.9

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本コンテンツは、2020年9月11日に開催されたJBpress主催「Workstyle Innovation Forum 2020 <秋> 生産性を高め、イノベーションを創発する!“経営戦略”としてのワークスタイル変革」での講演内容を採録したものです。

カルビー株式会社
常務執行役員 人事総務本部長
武田 雅子氏

緊急事態宣言下では社員同士の接点を強化

 新型コロナウィルスの影響により、2020年の年初から各社の経営者や人事担当者は、リモートワークへの対応を迫られるなどさまざまな対応に追われていると思います。当社では、その過程を経て6月25日にリリースを発表し、7月から「Calbee New Workstyle」と銘打った取り組みを開始しました。モバイルワーク無期限延長、単身赴任の解除、通勤定期券代の支給停止の3つを決定するとともに、ニューノーマルの働き方への対応を進めています。

「Calbee New Workstyle」を打ち出すまでの経緯を振り返ると、発端は2020年1月末に結成した、社内の関連部門の責任者が参加するコロナ対策委員会です。人事部門では、罹患リスク管理や子供の休校対策のための休日のルール、休業補償など、多くの企業が手掛けたことと同様の取り組みを進めました。

 これらの最重要事項への対応が一段落してからは、仕事の質を向上させる取り組みに力を入れています。具体的には、カフェテリアポイントの適用拡大やモバイルワーク規程の改定、マイクロソフトツールの勉強会の開催などです。

 一般的に人事部門の仕事としてイメージされるような取り組みに加え、私の人事としてのキャリアを踏まえて直感的に行ったことがあります。特に重視したのは社員同士の接点の強化です。

 例えば、どんなふうに働いているのかを情報交換したり今後の働き方について議論したりするオンラインでのワークショップを開催しました。私自身も時間の許す限り一人一人と対話していたので、緊急事態宣言下にあっても社員の変化を詳細に把握することができました。

 ワークショップ参加者の声をまとめると、4月の時点で既に、働き方は完全に元には戻らない、という意見が大勢を占めていました。この意見を裏付けるように、社員同士が在宅での働く環境についてアイデアを交換しながら工夫していたことも印象的でした。

 ワークショップ参加者に限らず、社員を対象としたアンケートからも新しい環境への対応が進んでいることが分かっています。ゴールデンウィーク明けの時点で、在宅でのモバイルワークの環境が全く整っていない社員はわずか2%。多くの社員がモバイルワークのデメリットをいかに解決するかを社員同士で自発的に話し合って改善していることも明らかになっています。

 当社の社員は私が思っていた以上に前向きで、新しい環境への対応力が高く、ゴールデンウィーク明けごろになると、通勤がなくなってできた時間を活用して余暇を楽しむ人も増えてきたほどでした。

 これらの変化を目の当たりにし、私は5月上旬の時点で、社員が成果を上げている限り、コロナが終息したとしてもかつてのような週5日通勤に戻るのは難しいと考えるようになりました。