法務部もビジネスに深く関わることが必要

 ネスレ日本では昨年から「nesQino」(ネスキーノ)という製品を国内展開しています。これは国内外で注目されているスーパーフードを手軽に摂れる飲料で、Q-cup(キューカップ)という専用機器を使い、スムージーがつくれるサービスです。

 nesQinoはネスレ日本にとっての新規事業です。こうした新規事業を行うとき、法務部は「ビジネスに深く関わる」姿勢が必要です。

 同商品の開発・流通・販売に当たって、他社とのコラボレーションもあり、販売方法や配送方法などを詳しく検討した上で契約を交わす必要がありました。同商品のリサイクルシステムにも法律が絡むことから、法務部が自治体との交渉にも関与しました。

 このように、「法律の専門家だからビジネスの中身まで詳しくない」という姿勢では、企業法務は決して務まりません。ビジネスの中身まで深く踏み込んだ上で、法律の知見も組み合わせながら「よく考える」必要があります。