ネスレ日本はリーガルテックをこう活用した

 ビジネスの中身を詳しく知り、法律知識も照らし合わせながら、ビジネスの成功への道を探ることが企業法務の在り方だとしたら、法務部にとって課題となるのが「業務効率化」です。このような背景から、最近はリーガルテックの活用が広がっています。事例として「クラウドサインの活用」についてシェアします。

 今から5、6年前、法務部では業務効率化の実現に向けて、作業的な業務時間の削減を検討しました。法務部は法律を軸とした専門職ですが、「社内回覧、製本、押印、郵送」「過去の契約書の閲覧」といった管理業務が存在します。これらの作業時間を削減するため、当社は電子契約サービス「クラウドサイン」を導入しました。

 導入に当たり既存業務フローを全面的に見直し、新しいルールを構築しました。FAXとEメールとでは業務フローが異なるのと同様に、既存の業務フローは「電子契約が導入されていない」前提で仕組み化されています。そこで、これまでのフローを根本から見直し、テクノロジーが介在する新たな業務フローを考えました。