※本コンテンツは、2021年3月19日に開催されたJBpress主催「特別企画 EC・D2Cフォーラム」の特別講演「オウンドメディアを活用したビジネス構築について」の内容を採録したものです。

ネスレ日本株式会社
専務執行役員
チーフ・マーケティング・オフィサー
マーケティング&コミュニケーションズ本部長
石橋 昌文氏

オウンドメディアプラットフォーム構築・運用の効果

 スイスのヴェヴェーに本社を置く、1866年に創業した世界最大の食品飲料企業であるネスレ。グローバルでは2000以上のブランドを持ち、186カ国で事業を展開。1日に販売されるネスレ製品は12億個に及ぶ。石橋氏はその日本法人であるネスレ日本でCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)を務めている。

 同社は主に、次の4種のオウンドメディアを運用している。
●「ネスレアミューズ」
●各種公式SNSアカウント
●各種アプリ
●企業サイト(コーポレートサイト)

 中でも2010年に立ち上げた「ネスレアミューズ」は、「ネスカフェ」や「キットカット」などのブランドサイトに加え、eコマースサイトやエンターテインメントコンテンツ、レシピサイト、ネスレのキャンペーン一覧などを展開するオウンドメディアプラットフォーム。立ち上げ以来、コンテンツの開発と拡充に努めてきて、「ネスレ会員」とのコミュニケーションを図っている。

 現在、ネスレ会員数は700万人、サイト訪問数は2020年には8250万に到達している。

「社内外問わず、こうしたサイトを運営していくことに効果があるのか、との質問を頂きます。しかし、実際にサイト訪問者の製品購入金額を調査してみると、訪問前に比べて訪問後の方が、購入金額が高くなるという相関(ネスカフェで23%向上、キットカットで67%向上)が分かっています。訪問頻度(訪問上位者25%、訪問中位者25%、訪問下位者50%)で比較してみても、上位ほど購入金額が高くなり、特にヘビー訪問者は訪問後に購入金額が大きく伸びています」