エンタープライズ領域とデジタル領域の両輪でIT基盤整備

 ここまでの議論を重ね、ヤマハ発動機のDXはデザイン・実装段階へと移行した。同社が「エンタープライズ領域とデジタル領域の両輪で行っている」というIT基盤整備の方向性は、次のようなものだった。

●エンタープライズ領域
 業務拠点において業務プロセスごとにサイロ化していたシステムとデータを、ERPを適用して標準化。それとともに、ビジネストランザクションと会計をひも付け、データを一元化・可視化。各拠点の会計・ビジネスデータを「基幹系グローバル統合データベース」に集め、経営判断、事業遂行のインフラを構築。構築に当たっては(ビジネス上の)ものさし、ルール・制度を合わせたデータインフラとした。

●デジタル領域
 コネクティッドビークル、デジタルマーケティング/SNS、スマート工場といった新たな取り組みを進めると同時に、それらデジタルデータ活用の基盤として、デジタルデータ蓄積・分析基盤を構築している。
「エンタープライズ領域とデジタル領域、2つの基盤にデータ統合・活用することで、経営・事業においては迅速な意思決定、データ分析とフィードバックが可能になり、他方、業務部門・現場においても迅速な業務オペレーションや改善活動、データ分析とフィードバック、お客さまへの新たなサービス・価値提供が可能になります」